- 仕事がない・・・
- 技術移転なんて無理無理・・・・
- 活動なんて意味ない・・・
・青年海外協力隊の「隠された本当の意味」
JICAボランティアの役割は?
- 開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与
- 異文化社会における相互理解の深化と共生
- ボランティア経験の社会還元
これは訓練中の試験にも出ますので、覚えておいて損はないかと思います。
さて、青年海外協力隊(JIAC海外協力隊)とは一体どういうものなのかと聞かれたら、
多くの隊員はきっとこう答えるのではないかと思います。
今回は、技術移転という観点から、青年海外協力隊の実態と本質についてお話ししていきたいと思います。
協力隊の実態① 現地人は本当に技術を身に着けたいと思ってる?
多くの隊員がぶつかる問題
現地に派遣され、自分の技術や知識を伝えようとやる気マンマンで活動を始めてみると、
多くの隊員が気づくことがあります。
- 私、労働力(マンパワー)にされていない?
- この人たち、全然やる気なくない?
自分の使命は「技術移転」のはずなのに、肝心の配属先の人たちにはそういう意思が全く見られない。
口では{学びたい」と言っていたとしても、態度がそれとはかけ離れている。
これは多くの隊員が頭を悩ます問題ではないでしょうか。
腐ってしまう隊員
- やる気がない現地人
- お金だけを期待されている自分
- 大きな決断をして、はるばる来たのに意味があるとは到底思えない活動
派遣前に想像していたものとはかけ離れた現実に、次第にやる気を失ってしまう隊員も少なくないでしょう。
- なぜ、こんな要請を作ったのか
- ちゃんと調査していないんじゃないのか?
- こんな活動意味がない。自分の代で終わらせよう
このように、青年海外協力隊という制度の在り方に不信感を持ち始める隊員もいます。
本気で改善したいなら・・・・
どうしてこのような事が起こるのでしょうか。
私は隊員時代、このように思ったことがあります。
配属先は技術やお金という問題以前に、組織の構造という根本的な問題を抱えている場合が多く、
そこを改善しなければ絶対に良くはならないという事は、少し活動してみればすぐに分かる事だと思います。
そして、根本的な問題を解決するには、協力隊の隊員一人では到底無理だという事もすぐに気が付きます。
だから、
ってなってしまう訳ですね。
もしたった一人の情熱のある同僚、生徒がいれば、踏みとどまることも出来るかもしれません。
私の場合は、ごく数名のやる気のある生徒がいたからこそ、何とか踏ん張ることが出来ました。
もちろん、目覚ましい成果を上げる人もいるかもしれませんが、
よほど能力が高いか、よほど環境に恵まれたかのどちらかでしょう。
帰国報告会や応募者説明会を見ていても、
とても成果とは言えないようなものを無理やり「成果」として挙げている人が非常に多いです。
例えば・・・・「生徒が時間通りに教室に来るようになった」とか?
普通に考えたら、そんなのは技術移転ではないし、多額の税金を投入してやる事ではないですよね?
協力隊の活動で、基本的には成果など上がりません。しかし、自分の2年間の活動が「なにも成果がなかった」などと認めることが出来ないので、
無理やり成果を探し出している、という印象です。
協力隊の実態② 配属先を良くするなんて無理
成果など誰も期待していない
協力隊は成果を出さなくても良いとされています。
が、ほとんどの隊員はそうは考えていません。
血税を使って派遣されている以上、何かしら成果を上げたいと思うのは当たり前のことだと思います。
ただ、派遣している側も「成果など期待していない」というのは事実でしょう。
断言してもいいですが、説明会やHPに書かれていることはほとんど「建前」です。
それは、「技術移転」という言葉も含めてです。
やる気を失い、腐っていく隊員の事など表に出ませんし、隊員のインタビュー記事を見ても
苦労や障害を知恵と努力で乗り越えたというサクセスストーリーばかりですよね。
しかしそれは、あくまで光の部分だけに焦点を当てている、もしくはサクセスストーリになるように脚色しているに過ぎません。
では、この協力隊事業は一体何のために存在しているのでしょう。
成果が上がらないなんて分かっているのなら、無くしてしまった方がいいと思いませんか?
欲しいのはあくまでも「派遣実績」
青年海外協力隊事業を通して日本政府が得られるものは、
ズバリ、
お金を掛けて派遣したという実績です。
これだけの金額を使って、これだけの国に貢献したという実績は外交的にも意味のあることでしょう。
大事なのは金額や派遣人数といった数字の部分で、成果など全く期待していません。
アフリカやアジアの、水も電気も不安定なド田舎の学校の抱える問題など、プロのコンサルティングチームでも派遣すれば
より早く、安く解決するでしょう。
もし、本気で技術移転をしたいと思っているのなら、の話です。
派遣国の政府も、良くしたいなど思っていない
もっと言うと、途上国のトップの多くは、自分の国が発展して欲しいなどとは思っていません。
発展して豊かになれば先進国から援助を受けられなくなるし、
国民が力をつけてマスコミが力をつけていくと、自分の既得権益が危うくなる可能性があるからです。
国民が無力であった方が、不正もし放題だし、搾取しやすいという事ですね。
アフリカ圏の国の大統領や政府高官のとんでもない豪邸を見れば分かるのではないでしょうか。
協力隊の実態③ 協力隊は何のためにある?
本気でやれば、何かが見つかる?
じゃあ、協力隊の活動なんて、現地の人の役に立たないじゃないか
そう思う人も多いでしょう。
短期的に見れば、確かにその通りだと思います。
2年間の活動で何が変わるかといったら、ほとんど何も変わりません。
現地人の未来を大きく変えるような、選択肢を増やせるような技術移転など、ほぼほぼ不可能です。
活動報告書や、活動報告会、配属先との三者面談なんて、所詮建前に過ぎません。
ただ・・・
それでも、私は活動は本気でやった方がいいと思っています。
本気でやることで得られることはいくつかあると思いますが、
- 日本の事を知ってもらえる
- 日本人を好きになってもらえる
たとえこれだけだったとしても、です。
そして、私が考える「隠された協力隊の意味」というものがありますので、次の項目でお話ししていきます。
協力隊の意味は?
日本を出て、不便な発展途上国で生活すると気付くことがあります。(人にもよりますが)
それは、日本は本当に素晴らしい国 という事です。
家族や友人と離れて生活するとその大切さに気付いたりもします。
これはどういうことかというと、
という事です。
すると、どういうことになるか・・・・
大切な人に贈るプレゼントは真剣に選ぶように
好きな人に食べさせる料理は絶対においしく作ろうベストを尽くすように
人間は大事な人に何かをする時が一番真剣になれる時なのではないかな、と思うのですが、
日本という国に対しても、
本気で何かをしたいと思うようになるのではないでしょうか。
日本のために何かをしたい
心からそんな風に思えたら、それは日本の国益ですよね?
これはあくまで私の考えですが、青年海外協力隊にはそういう隠された意味があるように思います。
本気で考えて、本気で活動しなくてはきっとこんなことは思いませんし、
無駄な2年間になってしまう可能性は高いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
これが私の考える、青年海外協力隊の本質です。
私自身、JICAの言っていることなど建前に過ぎないと思っていますが、
協力隊事業に賛成するのにはこのような理由があります。
壁にぶつかって、活動に意味がないと悩んで、それでも本気で取り組んで・・・・それを含めての青年海外協力隊だと思いますので、
こういうことは派遣前の人にお話しすることではないかもしれません。「派遣前閲覧禁止とはそういう意味です。
活動に全力で取り組んでも、現地人の生活を大きく変えるような成果を上げるのは難しいでしょう。
しかし、決して無駄な2年間ではありません。
協力隊の2年間はあくまでも帰国後の準備期間。帰国後に何かの成果を出せればそれでいいのではないでしょうか。
もしあなたが現在活動中で悩んでいるのなら、参考にしてもらえたらと思います。