JICA青年海外協力隊に応募したいという方の中には、その後の就職先に不安を覚える方も多いかと思います。
月収は最低でも65万程度
JICA企画調査員(ボランティア事業)とはどんな仕事?
ざっくり企画調査員の仕事概要
企画調査員(ボランティア事業)のメインの仕事はJICA海外協力隊の活動全般のサポートですが、要請開拓や配属先との交渉、安全管理、事務処理など実際の仕事内容は多岐に渡ります。
実は企画調査員にはA~Cの「業務格付」というものがあり、この業務格付が高いほど高度な業務を担当することになります。もちろん報酬も変わってきます。
隊員の派遣人数が少ない国でなければ、JICA事務所に複数人の企画調査員がいますので、
経験の少ない人はCから始めて先輩について経験を積むというイメージですね。
Bになれば基本的に独力で業務を行い、Aになればより高度な仕事が任される。
ざっくりと説明するとこのようなイメージです。
何かあった場合、隊員は基本的にまず企画調査員に連絡します。
盗難などのトラブル、病気やケガなどの緊急時にもまず頼られるのが企画調査員ですし、配属先との揉め事もあるかもしれません。問題のある隊員を抱えると、ちょっと大変そうですね。
任国外旅行の申請、現地業務費の申請、その他書類の提出先も基本的には企画調整員ですので、時期によっては雑務に追われることもあるかと思います。
※企画調査員(ボランティア事業)の業務内容をより詳しく知りたい方はコチラ
企画調査員の任期
企画調査員の契約は基本的には2年。
働きぶりが評価されれば1年延長することも出来ます。
任期を終えてからまた試験を受けて応募し、別の国に派遣される・・・
これを繰り返して生計を立てている人も数多くいます。
JICA企画調査員(ボランティア事業)の応募資格や年齢制限は?
企画調査員(ボランティア事業)の応募資格はざっくり以下の5つです。
- 既定の日時の時点で満70歳未満であること(派遣時期に応じて設定されています)
- 語学力(英語であればTOEIC730点 英検準1級が目安)
- 1年以上の海外生活経験(途上国であれば望ましい)
- 1年以上の企業や法人での職務経験
- 自動車運転免許(あれば望ましい)
こうしてみると、年齢制限は「満70歳未満」、特殊な資格も経験も一切必要ない、かなり間口が開かれた就職先と言えると思います。
専門分野などは特に問われませんので、ハードルは語学と海外生活経験くらいでしょう。
青年海外協力隊出身者なら、必然的に途上国で1年以上生活することになりますし、
1年以上の法人や企業での職務経験ならほとんどの人が持っていますよね。
ちなみに運転免許は持っていないと仕事にならないと思います。
語学力はフランス語やスペイン語の案件もありますが、ここでは割愛します。
なお、アジア圏も求められる言語は基本的に英語。
他にも習得言語があれば選考の際に考慮されます。
JICA企画調査員(ボランティア事業)の給料は?
企画調整員は一般的なサラリーマンからすると
「そんなにもらえるの?」という額が支給されます。
隊員の方ならわかると思いますが、企画調査員は基本的にびっくりするような豪邸に住んでます。
さて、気になる具体的な金額ですが、これは派遣国や業務格付によって若干変わりますのでざっくりと。
在外基本手当
まず、在外基本手当
業務格付 | 在外基本手当 |
A号 | 359,800円~590,800円 |
B号 | 339,800円~567,300円 |
C号 | 319,800円~543,800円 |
高額なのはやはりアフリカ圏。発展している国や危険度の低い国ほど安くなる傾向にあります。
これだけでも十分な気がしますが、もちろんこれだけではありません。
これはあくまで「手当」ですから。
国内棒
ここでは割愛しますが、企画調査員には隊員の現職参加制度のように、所属する企業(JOCAなど)に籍を残したまま参加する制度もあります。この場合は国内棒の代わりに所属先協力金というものが支給されますが、名前が違うだけで金額もさほど変わりはありません。
国内棒は退職して企画調査員として派遣されている人に支給される給料ですね。
ほとんどの人に当てはまるかと思います。
A号:427,000円
B号:377,000円
C号:332,000円
この「国内棒」と先ほどの「在外基本手当」を足したものが、基本的な給料と考えて良いかと思います。
ヤバくないですか・・・?
先進国とほとんど変わらないような新興国に派遣されたとしても、
最低でも月給65万程度もらえることになります。
その他手当
まだあります。
他にも各種手当があります。
- 住居手当
- 家族手当
- 子女教育手当
- 僻地手当
- 扶養親族の呼び寄せその他・・・・
・・・・もうおなか一杯ですね。
そう。企画調査員は家族を連れてきて一緒に生活することが出来ます。
比較的誰でも申し込める緩い応募資格に加えてこの手厚い待遇・・・
さらに年1回、1か月の長期休暇があります。
帰国後の就職先として、企画調査員を目指す人の気持ちも分からなくはないでしょう。
企画調査員(ボランティア事業)にはどんな人がいる?
ほとんど隊員経験者
私の知る企画調査員は全員青年海外協力隊出身者です。
新卒で協力隊に派遣された場合は「1年以上の法人・企業での勤務経験」という条件を満たしていませんが、
まずは「JOCA(公益社団法人 青年海外協力協会)」に入って、訓練所スタッフをしながら応募資格を満たし、企画調査員を目指す人もいます。
企画調査員として人生を送る人
年齢層は30~40代が多い印象ですが、もっと年配の人もいます。
企画調査員は2~3年の契約ですので、契約終了後にまた応募して別の国に派遣される人が多いという話をしましたが、
3か国、4か国と色々な国を渡り歩いても、この企画調査員という仕事しか知らない人もたくさんいます。
一般的なサラリーマンと比較すると高額な報酬を得ることが出来ますので、ある程度まで勤めてセミリタイア、なんて人も中にはいます。
元隊員の立場から見た企画調査員という就職先のデメリット
なんだか良い事ばかりに見える企画調査員の仕事ですが、もちろんデメリットもあります。
次の仕事の保証がない
企画調査員は契約という立場ですので、任期が終われば次の仕事の保証はありません。
嫌われる人、好かれる人がはっきりしている
- メールの書き方
- パソコンのスキル
- 業務連絡やミーティングのオーガナイズ
- 頻繁にホームパーティーを開いて隊員を招待したり、
- 食事をごちそうしたり、
- 隊員に懐く小さな子供がいたり
- ちょっとしたルール違反を大目に見てくれたり
という感じだと、後任としてはやりづらいものがありますよね。
嫌われやすいと言うと語弊がありますが、
理不尽に嫌われてしまう要素はあるかと思いますね。
これは企画調査員が悪い訳では決してなく、
企画調査員とバトって、それを武勇伝にしてしまうような子供の隊員が一定数いる、という事が問題なのですが。
- 隊員からは穴が見えやすく
- 隊員からは苦労が見えにくく
- 隊員からは比較されやすい
- とりあえず高額な報酬をもらっていることが知られている
まとめ