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JICA青年海外協力隊 その後の進路 「もう一回参加する」はアリ?

帰国後、もう一度青年海外協力隊に参加できるの?
今回は青年海外協力隊のその後の進路として、「もう一度青年海外協力隊に応募する」という事をテーマにお話します。
まず、結論からお話します。
青年海外協力隊には複数回参加できるし、実際にそういう人もいます。
ただし、青年海外協力隊に複数回参加するには、それなりに明確な目的が無ければあまりオススメは出来ません。
このあたりについて、解説していきます。

どういう人たちが、その後の進路に「再び青年海外協力隊」を選ぶ?

青年海外協力隊で2年間の任期を終えて、その後の進路また「青年海外協力隊」を選ぶという人がいます。

こういう人は間違いなく、発展途上国での生活が好きで好きでたまらないという人でしょう。

 

青年海外協力隊に参加して、JICAや青年海外協力隊に対する考え方が大きく変わることは珍しくありません。

協力隊は本当に素晴らしいと帰国後も普及活動を続ける人もいれば、

否定的な考えを持つようになる人も、現地の事がキライになる人もいます。

 

 

私個人の意見としては、「青年海外協力隊は参加する価値は十分にあるが、JICAの言う事は全て建前」という感じですかね。

 

心の中で思っている青年海外協力隊に対する考えを偽って仕事をすることは出来ませんので、私には企画調査員の仕事やJICAの仕事は出来ないでしょう。

 

 

途上国での生活を好きになる要因としては、

  • 現地の人が好き
  • 日本みたいに慌ただしくない生活が好き
  • 活動にやりがいを感じた

といった所ではないでしょうか。

多くの人が活動が上手く行かず、やりがいを感じることなく帰国することを考えたら、素晴らしい事だとは思います。

1年を過ぎたあたりで

もう十分

早く帰りたい

と考える人はかなり多いと思います。

そうじゃなくても、「任期延長」を選択する人が大半です。

 

一から応募するという事は、もちろん別の国、別の任地に行くという事。

よほどこういう生き方が好きなのでしょうね。

 

その後の応募や派遣前語学訓練はどうなる?

2回目だろうと3回目だろうと、参加するにはまた1から応募して受験することになります。

(3回目という人は見たことがありませんが)

ただ、1度合格しているという実績がありますので試験に関しては大きな自信をもって臨めますし、あまり問題はないかと思います。

倍率が高い職種であったり、活動中に大きな問題を起こしていなければ問題なく受かるでしょう。

 

派遣前語学訓練に関してはその人の語学力にもよるみたいですが、基本的には皆さん訓練にはもう一度参加しています。

講座の中にはネタバレ禁止のゲーム形式のものもあるのですが、そういうものには参加できないみたいです。

 

訓練所生活はたくさんの出会いがあり、むしろそれが醍醐味だと思いますのでこれはちょっとだけうらやましいですね。

その後、再び青年海外協力隊に応募する人のパターン

帰国後もう一度青年海外協力隊に参加すると言っても、「帰国後すぐに応募する」という人はあまりいないと思います。

2回目以降の隊員を「OV」と呼びますが、

帰国してから数年後に参加というパターンのOVが多いですね。

 

  • 2年間のボランティア→数年後1年以内の短期ボランティアに参加
  • 短期のボランティアに参加→数年後、2年間のボランティアに参加
  • 若い頃JOCV(青年海外協力隊)に参加→50代、60代でSV(シニアボランティア)に参加

という人がほとんどです。

リタイア、セミリタイアで参加する人も多いシニアの方はともかくとして、

一度参加したら、通常は「2年間は長すぎる」と感じる人は多いはずです。

 

 

 

ただ、帰国後、即2年間の青年海外協力隊に応募、という人もいない訳ではありません。

私も2年間→2年間という人を複数名知っていますが、

私の知る限りではこのような人たちは例外なく、

「企画調査員(ボランティア事業)」を目指しています。

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青年海外協力隊に2回行くことのメリットとデメリット

企画調査員やJICA関連の仕事を目指す人以外には、

2回参加することのメリットは特にないと思います。

強いて言うなら、また2年間貯金をしながらゆったりと過ごせる、というのも挙げられますね。

2年間資格の勉強をしたい、とかそういう人なら、邪道ではありますがアリかもしれません。

日本でアルバイトしながら勉強するよりはお金もたまるし時間が取れるでしょうからね。

 

 

青年海外協力隊の参加を通じて得られる「仕事に役立つスキル」というのは語学力以外にほとんどありませんので、

日本社会で生きていくことを考えたら、4年以上も時間を費やすのは正直かなり危険だと思います。

 

 

現地でいくら勉強しようとも、インターネットでできる仕事以外はアウトプットする機会がありませんので経験も実績も積めません。

仕事のプレッシャーもないし、何かを教えてくれる人もいません。

実際に現地の生活を知る、知見を広げるなど青年海外協力隊でしか経験できない事も確かにたくさんありますが、

それは2年間で十分だと思います。

 

青年海外協力隊というのは、かなり「宙ぶらりんな存在」だと思っています。

 

繰り返しになりますが、

  • 企画調査員として生きていきたい
  • 難関国家試験に合格するために、制度を利用して勉強したい
  • プログラミングや動画編集、アフィリエイトなどリモートワークを構築する時間が欲しい

このような人以外には、青年海外協力隊で身に付けられる「役に立つスキル」はほとんどありません。

つまり、ほとんど成長できません。

 

日本からどんどん取り残されていくだけですので、

「もう一度行きたい!」という気持ちだけで参加を決めるのはあまりオススメできません。

まとめ

青年海外協力隊というのは、

考え方によっては

こんなに楽な仕事で毎月10万円近く貯金が出来るとてもおいしい仕事です。

 

やる気を出さずに適当にやっても、誰にもとがめられることは無いからです。

この制度を利用(悪用)しようと思えば、いくらでもすることが出来る。これが現実です。

 

それでも、私は「2回は絶対に嫌だ」と思ったものです。

私自身は、青年海外協力隊に参加して良かったと心から思っていますが、

それでも2年で十分だと思っています。それ以上参加しても、何か得られるものがあるとは思えません。

 

 

青年海外協力隊に複数回参加することは可能ですが

明確な目的がない限りは、「宙ぶらりんのまま、進路の決断を先延ばしにする行為」でしかないでしょう。

 

帰国後、再応募を考えている人は、参考にしてみて下さいね。