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JICA青年海外協力隊 自動車・バイクの運転、運転免許について

青年海外協力隊は自動車を運転できる?運転免許証の更新は?
今回は、「青年海外協力隊と自動車の運転」というテーマでお話します。
青年海外協力隊が現地で自動車の運転を出来るのかどうか・・・・
ご存知の方も多いと思いますが、とりあえず結論から。
青年海外協力隊は現地での自動車運転は一切認められていません。
メインの話はこれだけなのですが、もう少し深堀して運転免許の更新やバイクの運転などについてもお話していきたいと思います。

青年海外協力隊はなぜ車の運転を禁止されている?

まずはじめに、

青年海外協力隊の死亡理由で一番多いのは交通事故

という事を押さえておきましょう。

 

死亡事故が起こっている以上、何かしら制限を掛けるのは仕方がない事ですね。

 

 

JICA青年海外協力隊の派遣される発展途上国は交通事情に大きな問題を抱えています。

私の派遣されたアフリカの国でも、思いつく限り列挙すると・・・・

 

  • 飲酒運転あたりまえ
  • スピード違反あたりまえ
  • ウィンカーを出さずに曲がってくる
  • ウィンカーをつけっぱなしで運転している
  • 危険な追い越し、見切り発車多い
  • フロントガラスにヒビが入っていない車が少ない
  • サイドミラーがない車も多い
  • キュルキュルとイヤな音を立てて走る車も多い。
  • 普通のセダンに8人、9人乗るなど、定員オーバー当たりまえ
  • 信号機のライトが暗すぎて赤なのか青なのか分からない
  • 主要の大通り以外は道が穴ぼこだらけ
  • 街灯が少ないので夜は暗すぎる

 

という感じで、ドライバーの技術もモラルも低い上に整備不良車、道路などインフラが整っていませんので、事故に遭う可能性はかなり高いと思われます。

KAERU
KAERU
無法地帯です

 

事実、私が首都に上京した時には毎回1度は交通事故現場を目撃します。

 

私自身、今は自動車を運転できる身分ではありますが、出来る事なら運転なんてしたくないと思っています。

安全面を考えたら運転禁止というルールは無難な気がしますね。

 

 

一方で同じ日本人であるJICA関係者や大使館関係者はバリバリ運転していますね。

むしろ市民の足であるコンビやミニバスの利用が禁止されている場合もあります。

 

ちょっと矛盾しているように感じるかもしれませんが、

こういう人たちは安全に車を駐車できる家に住むことが出来る、勤務先でも安全に駐車できる場所が確保されている、というのもあるかと思います。

途上国で車をその辺に停めておいたら車上荒らしの格好の餌食ですからね。

 

それに、特にJICAや大使館関係者の車はナンバープレートで判別できますので、

スマッシュアンドグラブなど車がらみの犯罪のターゲットになりやすいという危険を孕んでいます。

 

 

車を運転するのか、現地人と同じ整備不良のミニバスなどに乗るのか

どちらが安全かというとちょっと難しい所ですね。

バイクの使用が認められている要請もある

要請によってはバイクの使用が認められている場合があります。

というより、

活動でバイクを使用するのでバイクの免許(小型自動二輪運転免許)取得が条件の要請がある、という感じですかね。

 

これらの要請は農村部などで、複数の勤務先(病院など)を巡回する活動、というケースが多いようです。

試験の際にバイクの免許を取る意思があるかどうかの確認がありますので、バイクの要請は不可として置けばそのような要請に当たる心配は要りません。

 

 

訓練前、訓練中もバイク運転の講習があります。応募時は免許を持っていなくても、青年海外協力隊に合格してから派遣前訓練が始まるまでに教習所に行って免許を取得すればOKです。

 

 

青年海外協力隊への応募のためにわざわざバイクの免許を取得しても、免許が必要な要請になるかどうかは分かりませんからね。

SARU
SARU
もちろん免許取得費用は自腹です

 

活動でバイクを使用できることで行動範囲が広がることは確かですが

ガソリン代は自己負担ですし、走行距離の制限もあります。

メンテナンスと報告の義務もあったりと安全を確保するために色々と面倒くさい事も多いです。

 

また、バイク事故での任期短縮や、バイクそのものが盗難のターゲットになり事件となる例も実際に起こっています。

発展途上国では、やはり車やバイクは所有しているだけで危険が伴うのは間違いないと思います。

 

 

 

 

ちなみに自転車に関しては、申請して活動で必要だと認められれば経費で購入し、乗れるようになります。

都市部のスポーツ系の隊員のように巡回が多くて日々の交通費がかさむという場合なら申請してみるのもいいと思いますが、

ヘルメット着用などのルールがあったかと思います。

派遣中に免許の更新日を迎えてしまう場合

派遣期間中に運転免許証の更新期間を迎えてしまう場合はどうすればよいのでしょうか。

このような場合は、「期間前更新」という制度を利用することが出来ます。

要は、海外に出国する前に更新をしてしまう事が出来る訳ですね。

期間前更新は、「やむを得ない理由がある限り」のように書かれていますが、海外渡航を理由としている場合は基本的には面倒な証明書などは必要なく、パスポートがあればOKのはずです。

 

 

実は、私も期間前更新をしたことがあります。

私の場合は青年海外協力隊参加時ではありません。

パスポートや免許証などを軒並み盗まれて、日本に一時帰国して再発行手続きをしに東陽町の運転免許センターに行って事情を説明したら、「期間前更新しておきますか?」と聞かれたのでお願いしただけです。

そのまま通常の免許更新と同じように手数料を支払い、講習を受けて簡単に更新することが出来ました。

 

期間前更新の場合、免許の有効期限が通常の更新よりも短くなるというデメリットはありますが、面倒なことは一切ありません。

派遣中に更新を迎える方は忘れずにやっておきましょう。

 

おまけ 現地の免許証は取得できる場合も

海外で自動車を運転すると言ったら「国際免許証」を思い浮かべる人も多いでしょう。

 

これは国によると思うのですが、日本の運転免許があれば、お金を払えばその国の運転免許がもらえる場合があります。

もちろんJICA青年海外協力隊という身分ですので運転することは出来ませんが、海外の運転免許証は日本のモノと違い面白いデザインだったりするのでちょっとした記念にいいかもしれません。

大使館の領事にでも問い合わせて見れば取得可能かどうかわかると思いますので、興味のある人はお試し下さい。

まとめ

獏は良くて車はダメ、と言うのも少しおかしな気もしますが、

やはり車もバイクもあれば便利な分、どうしても危険度は増すという事ですね。

 

広大な自然の中を思いっきりドライブしたい気持ちも分からなくはないですが、

任期が終わってから旅行としてくるか、JICA職員にでもなればその夢は叶います。

青年海外協力隊は車の運転は「絶対にやってはいけない大罪」ですので、ルールを守って活動して下さいね。