今回は2019年10月~の任国外旅行制度の変更についてお話します。
とは言え、私はもう青年海外協力隊ではありませんので制度の詳しい所までは分かっていないのですが、現役の隊員以外の方はあまり知らないと思いますので取り急ぎ知っている情報だけお話しておきます。
これをきっかけに青年海外協力隊に興味を持つ人がいれば良いのですが・・・
とりあえず結論から。
ほとんどの隊員にとって、任国外旅行は青年海外協力隊の2年間の中でも非常に大きな楽しみでしょう。
活動そっちのけで任国外旅行ばかりしている隊員を「旅行隊員」なんて揶揄しますけど、
制度がある以上、有効活用するのは別に悪い事ではありませんよね。
(私はほとんど旅行しませんでしたが)
では、具体的にどのような規制緩和があるのか、私の知っている範囲でお話していきます。
私の時代の任国外旅行
私が青年海外協力隊の現役だった頃の制度は、超ざっくり言うと以下の通りです。
- 派遣中、1年につき20日間を上限に任国外旅行が可能
- 任国外旅行に行ける国は派遣国ごとに決められていた。
- 日本に一時帰国も可能
他にも細かいルールはたくさんありますが、
この、派遣国ごとに渡航可能な国が決められている、というのがポイントですね。
派遣前訓練に入ったらもらえる「ボランティアガイドブック」にも一覧表が掲載されていましたが、基本的には派遣国の周辺国にしか行けませんでした。
稀にフランスなどヨーロッパの国へ任国外旅行に行ける国もありましたが、
限られた国の中から選ぶというのが任国外旅行の通例です。
2019年10月からの任国外旅行
さて、問題の2019年10月からの任国外旅行ですが、
これもざっくりした話しか聞いていないので申し訳ないですが、
① 同じ大陸でJICA事務所のある国には行けるようになる
② 日本と協定(?)を結んでいる国には行けるようになる
と言われています。
同じ大陸のJICA事務所のある国には行ける
例えばアフリカ隊員なら、JICA事務所のあるアフリカの国にはどこでも行けるという事ですね。
ソマリアとか、そういう危険度マックスの国にはもちろん行けないはずですが、
青年海外協力隊が派遣されていなくてもJICA事務所のあるナイジェリアなどは行けることになるっぽいですね。(未確認)
単に旅行先が増えるというだけではなく、考え方によっては色々なメリットがありそうです。
青年海外協力隊のなかには、どこか特定の国に行くことを動機に応募する人もいると思います。
例えば・・・私の友人にこういう人がいます。
ジンバブエのムビラという伝統の楽器が好きで好きで、
それがきっかけでジンバブエという国を好きになって
毎年個人的にジンバブエに足を運んでいて
どうしてもジンバブエに行きたい。
実際にその友人は青年海外協力隊には応募はしていないのですが、
私は「参加してみたら?」と勧めたことはあります。
ただその国に行きたいから、そのための手段として、青年海外協力隊という制度を利用して応募してみる。
個人的にはこういう動機で応募するのも全然アリだと思います。
しかし、実際には自分の希望するジンバブエに派遣されるかも、
そもそもジンバブエに自分の応募できる要請があるかもわかりませんよね。
任国外旅行で行ければ良い。日本から旅行するよりは行きやすい、と妥協してみても
任国外旅行でジンバブエに行ける国に派遣されるかもわかりません。
しかしこれからは、少なくともアフリカ大陸の何処かに派遣さえされれば、ジンバブエに足を運ぶことは出来るようになります。
これだけでも、人によっては十分応募動機になりうるのではないでしょうか。
二本松と駒ケ根の交流も増える?
アフリカには大きく分けると英語圏とフランス語圏があり、例外はあるものの公用語が違うと派遣前訓練の訓練所も違います。
英語圏は二本松訓練所
フランス語圏は駒ケ根訓練所
に分かれています。(フランス語圏のマダガスカル、ポルトガル語のモザンビークは二本松)
例えば、英語圏であるザンビアやボツワナからはフランス語圏であるガボンやセネガルなどには任国外旅行で行けません。
つまり、二本松の隊員と駒ケ根の隊員が派遣中に出会う事は基本的にはありませんでした。
同じ隊次なのに交流はほとんどなく、同期という感じは全くしない。
中には交流している人もいると思いますが、これが今までの一般的な小長根・二本松の関係です。
しかし、2019年の10月からは英語圏→フランス語圏の国にも行けるようになり、別の訓練所の隊員と出会う機会も増えるという事ですね。
様々な年代で様々な経歴を持つ人たちとの出会いは青年海外協力隊に参加する醍醐味の一つです。
考えようによっては、交流の幅が広がるとも言えなくはなさそうですね。
日本と協定(?)を結んでいる国に行けるようになる
すみません。協定(?)というのが何を意味しているのかは確認不足なのですが、これはアメリカやヨーロッパの国も入っているようです。
青年海外協力隊の現地生活費ではとても行くことが出来る国ではありませんので、当然自費で行くことになりますね。
個人的にはせっかくなかなか来られない開発途上国に来ているんだから、特定の理由が無ければわざわざこのタイミングで先進国に行く必要もない気もしますが・・・
他に挙げられるメリットは?
派遣中に自分が行けないに対して、基本的に関心を持つことはありません。
別の言い方をすると、任国外旅行で自分が行ける国、となるとその国の事を調べてみる人も少なくないでしょう。
同じアフリカにいたとしても、行けない国に対するイメージは日本にいる人達となんら変わりませんからね。
それが、「現実的に行けるチャンスがある国」となると、とりあえずその国の基本的な情報や観光地、名物くらいは調べる気にはなるかと思います。。
様々な国に興味を持つ=自分の派遣国がより多くの人に興味を持たれるきっかけになる というのは
ある意味メリットと言えるかもしれません。
あと、絶賛遠距離恋愛中のカップルも任国外旅行で会えるチャンスが広がりますね。
デメリットはある?
話を聞く限り、隊員にとってのデメリットは特にないかと思います。
デメリットがあるのは、隊員の任国外旅行申請窓口となるJICAの企画調査員でしょう。
受け入れる旅行隊員も増えますので、雑務の量も面倒事も心配事も間違いなく増えますね。
個人的に行ってみたかった国
もし、私が現役の時に事この制度があったなら、どこに行きたかったかを考えてみました。
① ナミビア
当時、ナミビアは閉ざされていた国でした。ナミビア隊員はいるけど、どこからもナミビアには行けない。でも、ナミビアって海もあるし、ナミブ砂漠やヒンバ族の村などアフリカらしい見どころが多そうですからね。
⓶レソト・エスワティニ共和国(旧スワジランド)
南アフリカ共和国の中にある2つの小国。 今は実際に派遣されている隊員もいるみたいですが、南部アフリカの隊員にとっては未知の秘境というイメージでした。
③ エジプト・チュニジア・モロッコ
このあたりのアラブ圏の北アフリカも行ってみたかったですね。
同じアフリカ大陸でもサブサハラ地域とは別世界というイメージがあります。
まとめ
やや漠然とした情報で申し訳ございませんが、取り急ぎ知っている情報を紹介しました。
このあたりは現役の隊員の方ならよくご存じだと思いますが、これから応募を考えている人にとっては大きなルール変更ですので、なんとなく参考にしてもらいたいと思います。
また正しい情報が入り次第、更新していきます。