青年海外協力隊の方でも、派遣時に持ちきれない荷物を郵送したり、ご家族の方が支援物資(日本の調味料など)を送ってくれたりで、国際郵便を使用する機会があるかもしれませんね。
- どのくらい時間がかかるか?
- どのくらいお金がかかるか?
- そもそもちゃんと送れるのか?
アフリカへ荷物を送る方法は?
アフリカに荷物を送るには、郵便局の「国際小包」やヤマトの国際宅急便、DHLなどの方法があります。
10キロの荷物をアフリカまで送ると仮定すると、DHLはとんでもない金額(10万円くらい)になってしまうのであまり現実的ではないでしょう。
具体的な金額は国によっても異なりますが、郵便局の国際小包航空便とヤマトの国際宅急便は金額にさほど大きな違いはありませんのでここでは複数の送り方がある「郵便局の国際小包」に絞ってお話していきます。
通常、国際小包には
- EMS(国際スピード郵便)
- 航空便
- SAL(エコノミー航空便)
- 船便
という配送方法の中から選択することになりますが、青年海外協力隊が派遣されているアフリカの国は、一部を除いてEMSやSALは利用できません。
航空便か?船便か?
このどちらかという事になるケースがほとんどでしょう。シンプルでいいですね。
荷物の重量制限は国によって異なりますが、大体20~30kgまでとなっています。
20キロというとスーツケース1個分くらいですので、結構な量になりますね。通常は段ボール1個で多くても10キロ程度かと思います。
航空便と船便 料金と日数の違い
アフリカ圏は郵便局では「第三地域」に分類されており、
航空便と船便の料金、所要日数は以下の通りと「されています。」(10キロの荷物を1つ送る場合)
航空便 | 船便 | |
料金 | 27800円 | 6250円 |
所要日数 | 10日前後 | 3か月前後 |
エコノミー航空便を利用できる国(南アフリカやケニア・エジプトなど)なら、17,000円程度で所要日数は約2週間。
さらに、ここから荷物を引き取る時に結構な額の税金を取られる可能性があります。
もっと言うと、荷物を保管している役所までの往復交通費(協力隊なら恐らくはタクシー)もかかります。
「船便って安いな!」
と思って安易に送ってしまうと、後で思った以上に出費がかさんでしまいますので注意が必要です。
また、船便の3か月前後、というのは、最低でもこのくらいはかかる、と思っておいた方がいいでしょう。
正直目安にすらならないレベルです。
そもそもちゃんとアフリカに荷物は届くの?
アフリカまでちゃんと荷物が届くかどうか。
結論から言うと、ちゃんと届かない事もあります。
航空便なら無くなることはあまりないかと思いますが、
船便を利用したら荷物が全く届かず、どこに行ったか分からなくなった、というケースを実際に目にしたことがあります。
追跡すると、大体ダーバンなどの港で消息が途絶えているみたいですね。
船便の料金は確かに魅力的ですが、その分かなりのリスクを伴います。
人の荷物を無くすって・・・一体どういう仕事の仕方をしているのか分かりませんが・・・アフリカの人たちを見ていると納得できる部分もありますね・・・・
荷物そのものに保険でもかけていなければ、荷物がなくなってもどうにもなりません。
泣き寝入りするしかありませんので、無くして困るものは絶対に船便では送らないようにして下さい。
また、前述のとおり3か月という日数は全くアテになりません。
私の場合は半年かかりました。(荷物は一応ちゃんと届きました)
実際に日本から船便で荷物を送ってみた
さて、ここからは私が実際に日本から船便で荷物を送った経験をお話していきたいと思います。
宛先はアフリカの某内陸国。
荷物は10キロ弱の段ボール3つ。
荷物の内容は醤油などの食品類や無くしても良い服、食器などです。(実験的な意味もありましたので)
送り方
荷物の送り先の国の国際郵便条件を確認し、必要書類を記入します。
これらの情報や必要書類のフォーマットは以下のページから入手出来ます。
後は郵便局に集荷依頼をすれば自宅まで取りに来てくれますので、料金を払えばOKです。
現地にて荷物の受け取り
現地で担当の役所から連絡が来たのは、荷物を送ってから半年後でした。
私は荷物を送った時点で現地の電話番号を持っていましたのでその番号を連絡先に記載しました。
荷物は送り先住所に直接届かず、Revenue Authorityなどの役所留めになるのが一般的かと思います。
荷物が届いたら連絡が来ることになっていますが、いつまでも連絡がこずに不安になって役所に行ってみたら荷物はすでに届いていた、というケースもありました。
役所は街からちょっと離れた距離にありましたのでタクシーで移動。
この関税の料金に関しては、正直かなり怪しいと思っています。
怪しい、というのは正規の料金以上のものを請求して、自分のポケットに入れている可能性がある、という事です。
もしくは、担当官のさじ加減で関税が決まるという事も珍しくないでしょう。これは空港でも良くあることです。
私は10キロの段ボール3つで200ドル程度取られました。役所までのタクシー往復込みで、結局300ドル近くかかりました。
結構な出費ですね・・・・
知り合いは荷物が届かなかった・・・
それでも私の場合は荷物がしっかりと手元に届いたので良かったかもしれません。
私の知り合いも同じように船便で荷物を送り、結局行方が分からなくなって手元に届くことはありませんでした。
お金を払って送ったのに、モノまで無くすなんてこんなバカな話ありませんよね。
追跡できるのもダーバンやダルエスサラームなど主要の港に着いたという所まで、というのがほとんどでしょう。
それに、荷物が届かない事にヤキモキしたり、日本に問い合わせをしたり・・・・こういう余計なストレスもかかってくるものです。
荷物の紛失がどのくらいの頻度で起こるのかはわかりませんが、実際に紛失したケースがある以上、あまりアテにしない方が賢明です。
船便でアフリカに荷物を送る際のポイント
繰り返しになりますが、アフリカに船便で送るのは
- いつ届くか分からない
- というか、届くかどうかもわからない
という事を理解した上で利用する必要があります。
当然無くしたら困る高価なものなど入れることは出来ません。
船便を利用するなら、航空便で送るには高いけど、無くしてもそれほどダメージのないもの。
日本の調味料やお菓子くらいにしておいた方がいいと思います。
アフリカに荷物を送るなら
アフリカに荷物を送るなら、郵便を使わずに送る方法が最も確実です。
青年海外協力隊のように長期滞在が決まっているのなら、取れる方法はいくつかあります。
① 渡航の際に追加料金を払って、初めから荷物を多めに持ってくる。
要は、空港で超過料金を払う、という事ですね。
料金の基準は航空会社や路線によっても違いますが、3万円くらい払えばある程度の重量を追加することが出来ると思います。
考え方によってはこれはかなりコスパがいいですね。少なくとも荷物を紛失するリスクはかなり低く、確実に現地に持っていくことが出来ます。
ポイントは
青年海外協力隊は公用旅券を持っていますので、空港の関税の突破が簡単な可能性がある
という事。
アフリカは空港の関税もかなりいい加減で、さじ加減で不当に料金を要求してくることも珍しくありません。
公用旅券を持っていればディプロマットと言っても通用しますので関税も素通り出来る場合があります。
⓶ 高価なもの(スマホやカメラ・パソコンなど)は一時帰国者に頼む
活動中にパソコンやカメラが壊れてしまったけど、現地で新しいのを買うのはイヤ、という事もあると思います。
こういう場合は一時帰国中の日本人にお願いするのが一番です。
頻繁に一時帰国する可能性があるのはやはり大使館関係者。
半年に一度は休暇があるはずですので、(いやらしい話ですが)仲良くしておくといざという時にお願いしやすくなりますね。
もちろん相手にも荷物の受け取りやパッキングなどで面倒をかけることになりますので、何かの形でお礼をするのを忘れないようにしましょう。
送りっぱなし、受け取りっぱなしは図々しいですよ。
まとめ
いかがでしたか?
私の意見としては、やはり船便を使ってアフリカに荷物を送るのはあまりオススメできません。
絵にかいたような「安かろう悪かろう」と言えるでしょう。
ルールがあってないようなアフリカでは関税でいくら取られるかもわかりません。
①超過料金を払って初めから持ってくる
⓶一時帰国する日本人にお願いする
③上記が無理ならやむを得ず航空便で送る
とするのが無難かと思います。
遠くアフリカで頑張っている息子・娘の為に小包を送ってあげたい親御さんもいらっしゃるかと思いますが、
そんな温かい気持ちも無下にしてしまうのがアフリカの郵便事情だという事を是非覚えておいていただきたいと思います。
荷物が届かないならまだしも、せっかく送ってくれた相手の気持ちも届かないのは双方辛いものがありますからね。
是非、参考にして下さいね。