今回は「派遣国×職種の希少性」というテーマでお話します。
青年海外協力隊の参加に関しては、次の2つの考え方があると思います。
① 発展途上国での生活という他では体験できない経験を得られる
⓶ 日本社会を2年間も離れることで、失うものも多くキャリアに影響が出る
まあ、どちらも間違いではありません。2年間日本社会を離れることで失うものもあるのは間違いないでしょう。
しかし、問題はどうやってそれ以上の価値を得ることが出来るか?という事です。
日本を離れて失う事以上の価値を得ることが出来れば、問題はありません。
結論から言うと、
と思っています。
青年海外協力隊には青年海外協力隊にさんかした人だけが得られるモノが必ずありますが、それを帰国後にどのように生かしていくか・・・・
今回の記事は「自分は大した技術も知識も持っていない」という人にこそ、読んでいただきたいと思っています。
青年海外協力隊の技術は「3流レベル」?
声援海外協力隊には100を超える様々な職種が存在します。
しかし、その職種に応募する人たちが全てその道のプロフェッショナルかというと、決してそういう訳ではありません。
言葉を選ばずに言うと、その道では3流の人たちもたくさんいます。
サッカー隊員だからと言って必ずしも一流のサッカー選手という訳ではありませんし
コンピューター技術隊員だからと言って、パソコンの事は全て知っているという訳ではありませんよね。
料理隊員でもまだまだ経験の少ない半人前の料理人もいるでしょうし、なんの実績も持っていないデザイン隊員もいるでしょう。
つまり、青年海外協力隊に求められる技術や知識というのはその程度、という事です。
ただ・・・別の言い方をすれば、
日本では3流の技術であっても、
発展途上国に行けば十分通用するという事。
それだけ発展途上国の技術・知識レベルは低いとも言えます。
これがポイントです。
もちろん、中にはその道の1流の技術や知識があり、大きな実績を持っている(例えばスポーツの元日本代表経験者 など)で青年海外協力隊に参加する方もいますが、そのような人はかなり珍しい存在です。
派遣国を知る日本人は、それだけでもレア
青年海外協力隊が派遣される国は開発途上国。
近年では東南アジアなどへの日本企業の進出が目覚ましく、タイやベトナム、フィリピンなどはもはや開発途上国とは呼べないかもしれません。
しかしながら、アフリカや大洋州の国は(それでも進出する日本人はかなり増えてはいるものの)まだまだ日本人にとっては未開の地です。
現代のインターネット社会では世界中の情報を簡単に手に入れられると思いがちですが、
実を言うと、意外とそんなことはありません。
実際に現地に足を運び、自分で体験してみないと分からないことはまだまだ非常にたくさんあります。
インターネットで調べても分からないことはたくさんある、という事ですね。
青年海外協力隊で派遣されるという事は、
あなたはその国、もしくはその地域を知る数少ない日本人の一人になる、という事。
マダガスカルやエスワティニ共和国に2年間も滞在したことある日本人なんてそうはいないでしょう。
もう少し具体的に説明すると
- 現地の物価や人気の商品を知っている(どのようなものが売れているか)
- 現地に足りないものを知っている(どのようなもの売れそうか)
- 現地に友人がいる(人脈・コネクション)
- 現地の言葉を知っている(現地人に受け入れられやすい)
などが挙げられます。
さらに言うと、派遣国で一般的な現地住民と生活を共にするのは青年海外協力隊の隊員だけです。
大使館やJICAの人たちは基本的にローカルな地域に行かないし、ローカルの住民とコミュニケーションをとる機会などほとんどありません。
技術を組み合わせれば、希少性が生まれる
得意なことを組み合わせれば、それだけで希少性が生まれるという話があります。
得意なこと、というのは別に超一流である必要はありません。
ある程度のレベルで問題ありません。
どんな分野でも、習得に500時間費やせばある程度のレベルに達することが出来ると言われていますが、そのレベルで十分です。
しかしながら、
「ある程度のレベルの技術」×「ある程度のレベルの技術」で他にはない希少性を生み出すことが出来るという事を押さえておきましょう。
日本では昔からその道1本で何十年も技術をや知識を積み重ねる「職人」「専門家」という形が評価されてきました。
しかし、現在では、「広く浅く」を組み合わせてニッチな部分を突くことで成果を収めている人がたくさんいますよね。
一番分かりやすい例としては、現地のプロリーグで活躍するスポーツ選手です。
東南アジアのサッカープロリーグで活躍する日本人選手は現在非常にたくさんいます。
日本のJリーグで活躍するだけの実力はなくても、日本よりはレベルの劣る東南アジアでは十分戦力になりますし
場合によっては日本のJ2選手よりも高額な報酬を得ている選手もたくさんいます。
さすがにプロサッカー選手となると誰でも500時間でなれる、という訳にはいきませんので、もう一つ実例を挙げて見ましょう。
ブログを書いて生計を立てている「ブロガー」なんていかがでしょうか。
ブログには基本的に主軸となるテーマがあると思いますが、例えば「子育て」をテーマにしたブログって世の中にたくさんありますよね?
子育てというのは子供を産んだ女性ならば誰もがやっていることで、それ自体に希少性はありません。
ただ、その子育て経験を発信していくとなると話は別です。
ブログでたくさんの人に閲覧されるにはSEOの知識が必要となります。ブログもただ書いているだけではダメという事ですね。
しかし、SEOというのは少し勉強すればある程度の事は身に付きますので、何年もかけてようやく習得できるもの、という訳でもありません。
ところが・・・
「子育て」×「SEOの知識」という「普通の事」を2つ組み合わせればマネタイズしていくことが出来ます。
さらにここにもう1つ「何か」を組み合わせれば、さらに希少性を持つことが出来ます。
「子育て」×「SEO」×「国際結婚」とか、
「子育て」×「SEO」×「シングルマザー」
などが挙げられますね。
他にも例を挙げて見ましょしょう。
海外で日本食レストランをオープンする人も多いですが、実を言うと「料理の経験はアルバイト程度」とう人も少なくありません。
それでも「海外の国」×「日本料理」で希少性を生み出しています。
中国にある日本料理店での勤務経験しかない、という中国人でも【Japanese restaurant】としてやっている人もたくさんいますからね。
なんちゃって日本食なんて言われていますが、日本食レストランが底に敷かなければ客は来ます。3流の技術だとしても希少性を簡単に作っているいい例です。
この様な例は他にもたくさんありますが、青年海外協力隊の経験者は先にお話した通り、
「途上国の滞在経験」
「自分の職種の知識」
という武器を既に持っています。
ついでに言うと、「語学力」もそうですね。
2年間でネイティブレベルの語学力を身に付けるのは難しいかもしれませんが、一般的な日本人よりは高い語学力を身に付けることは十分可能でしょう。
東南アジア諸国の滞在経験はそれほど希少性はないかもしれません。
しかし、現地の言葉、となると話は別です。
東南アジア諸国に滞在する企業の駐在員や大使館館員の多くは、タイ語もベトナム語もそれほど必要といていませんからね・・・
ガッツリとローカルと絡む青年海外協力隊の方が語学力上なのではないでしょうか。
ここで私が言いたいことは
組み合わせる分野が多いほど、希少性は増していく
この希少性というのは、組み合わせる分野が多いほどどんどん高まっていき、仕事の幅も広がっていきます。
青年海外協力隊は既に
「派遣国の滞在経験」
「語学力」
「自分の職種の技術・知識」
という手持ちの武器がありますが、もう1つか2つ得意なものを足したらその希少性はさらに高まります。
例えば・・・
- ザンビアに住んでいて、
- ウェブサイト制作の知識が合って
- 日常会話レベルの英語が出来る
- 日本人の美容師
なんて多分世界に1人しかいないんじゃないですか??完全に「オンリーワン」です。
ザンビアに住んでいる日本人、というだけでもかなり希少性が高いですからね。
そして大切なのは、
これらの希少性を求めている人は世界に必ずいる
という事です。
あなたの希少性を求めている人に、あなたの存在を知らせることが出来れば、それは仕事につながります。
先ほどの例であれば、
- 現地に美容院を開けば在留日本人や外国人にはウケる可能性が高いですし、
- ザンビアという国に興味のある日本人の現地アテンドという仕事も来るかもしれません。
- ウェブサイトを作れるのなら、自分をアピールするのもそれほど難しくありませんよね。
- もしかしたら、パソコンが苦手な現地在住者から、ウェブサイト作成の依頼やインストラクトの依頼もあるかもしれません。
こんな感じです。強制があれば、仕事の幅はどんどん広がっていく、という訳です。
実際にザンビアで美容院をするかどうかは置いといて、
自分の希少性を理解してアピールすれば、仕事につながる可能性は高い、
というお話ですね。
帰国後に自分で起業する、会社に就職するに関わらず、自分の希少性を生かして何が出来るかを常に考える事は非常に大切です。
まとめ
これからは企業で働く生き方よりも、個人で収入を得ていく生き方を選ぶ人が増えていく時代です。
自分の得意なことを組み合わせて希少性を生み出していくという考え方の重要性は
ホリエモンの「多動力」をはじめとする多くの書籍でも語られていますね。
まだ読んだことがない方は、この機会に一度目を通しておくと参考になるかと思います。
青年海外協力隊に参加することで、
とりあえずは「途上国経験」「語学力」という「得意な事」をほぼ無条件で手にすることが出来ますが、これは考え方によっては大きなアドバンテージになり得ます。
青年海外協力隊は普通に日本で働いている人よりも自由な時間が圧倒的に多いですからね。
時間を上手く使って
自分の武器を組み合わあせてできる事や、
手持ちの武器を増やす事・伸ばす事に注目して時間を使ってみるといいかもしれません。
あなたが「世界でたった一人の人材」になるのはそれほど難しい事ではありません。
特に自分の技術や知識、経験に自信のない方にとっては自分の価値を見つける大きなチャンスになると思います。
是非、参考にしてみて下さいね。