青年海外協力隊には「英語教師」という職種はない
ご存知の方も多いと思いますが、先にお話した通り
青年海外協力隊にはそもそも「英語教師」という職種はありません。
小学校教師や数学教育、理科教育、日本語教師という職種はあるのですが・・・・
せっかく英語力という現地で活躍できる武器があるのに、残念ながら「英語を教える職種」今のところ存在していないんですね。
従って、英語教師の方が青年海外協力隊に参加するには何か他の職種に応募するしかありません。
私の周りにも「元英語教師」という肩書を持つ隊員はいましたが、彼らの職種は全く英語とは関係がないものでした。
例えば・・・学生時代にサッカーをやっていたので「サッカー隊員」とかですね。
ただ、他に得意なことが無いという人もいるかと思いますので
特別な資格がなくても応募できるコミュニティ開発やPCインストラクターでの応募を目指すのが現実的なのではないでしょうか。
英語教師の武器 「英語を話せる」と「英語を教えられる」は全然違う
「英語教師」という要請はなくても、派遣されてしまえば英語教師の経験は必ず武器になりますし、地域によっては実際に英語を教えて欲しいというニーズはかなり高いはずですので、
特に応募する職種に関しての経歴にあまり自信がない方は、
面接や応募書類では英語教師の経験を存分にアピールしておくことをお勧めします。
英語の指導には自信があるが、「英語教師」という職種がないためこの職種で応募した
それくらいの事を言ってしまっても良いと思います。
青年海外協力隊のなかには帰国子女をはじめとして英語に堪能な人は一定数要るかと思いますが、
英語を話せるのと英語を教えられるのは全くの別物です。
英語教師の方は十分に分かっていると思いますので私がお話する必要もないかと思いますが、
これは、「外国人に日本語を教える事」を考えれば分かるかと思います。
私たち日本人は当然日本語がペラペラですが、「助動詞」とか「副詞」とか文法について説明しろと言われたらなかなか出来ませんよね。
「日本語教師」という資格は難関試験を突破して始めて得られる資格であり、立派なスキルであるのと同様に、「英語教師」というのも英語を話せるからOK、というものではないでしょう。
青年海外協力隊の派遣国には英語を公用語としている国がたくさんありますが、国民の英語力はそれほど高くないという国もたくさんあります。
英語が公用語ではなくても、英語を身に付けたいという人もたくさんいるでしょう。
青年海外協力隊の活動は「自分の職種の事しか教えてはいけない」というルールはありません。
もちろん自分の職種に関することの指導は大切ですが、「実際に派遣されたらやることが無い」というケースも多いくらいですので、
英語教育のニーズがあれば英語を教える事も活動の一つにしてしまって良いかと思います。
英語を話せることと英語を教えられることは違うというお話をしましたが、反対に・・・・
英語を教えられるからと言って英会話が堪能とは限らない
という事も言えるでしょう。
中学や高校で英語教師の仕事をしていて文法的に英語を教える技術はあっても、実際に英語を使って会話をしてみるとまだまだ、という人も実際少なくありません。
帰国後も英語教師の位置を歩んでいくつもりであれば、2年間の英語圏での生活は必ず役に立つはずです。
心当たりのある人にとっては、青年海外協力隊への参加動機としては十分かと思います。
英会話がそれほど得意でないのなら、応募の際のアピールにならないのでは?と思うかもしれませんが、
「英語教師としてより実践的な英語力を高めたい」と言ってしまっても良いかと思いますよ。
あなたが2年間で実践的な英語力を身に付けて、それが帰国後の英語教育に役に立つのであれば、
それは立派な「社会還元」になるからです。
派遣国の為に何が出来るかを考える人は非常に多いですが、
帰国後に日本に対して何が出来るか、という視点で考えて応募することも大切です
覚えておいてくださいね。
自分の力では現地の人に何もできない、なんて一切考えないで、自分が行きたいか行きたくないかで応募を決めてしまってもOKです。
もし悩んでいる人がいれば、参考にしてみて下さい。
青年海外協力隊に一番必要なのは英語力
これは他の記事でもさんざん触れていますが、
私は、青年海外協力隊に一番必要なのは英語力(語学力)だと思っています。
理由は以下の通りです。
- 自分の職種に関する現地のレベルは想像以上に低い場合が多いから
- 青年海外協力隊合格程度の英語力では、本当に大切な細かいところまで指導をするのは難しいから
青年海外協力隊の英語レベルは正直それほど高くなく、派遣前語学訓練を終えても劇的に英語力がアップする人はあまり多くありません。英語以外の言語なら、派遣時に関しては、それはもう壊滅的と言ってもいいでしょう。
不十分な英語力のまま現地に派遣される人が大半で、2年間の活動を終えても十分な語学力を身に付けられない人も少なくありません。
その職種に関して非常にに高い技術・知識・経験を持っていたとしても、英語力がないためにそれを発揮できない人はたくさんいる、という事ですね。
さらに言うと、
職種に関して、現地でそれほど高いレベルの技術や知識が求められるかと言ったら決してそんなことはありません。
私自身の経験でも、相手はその職種に関しての基本的な技術すらままならない場合が多く、
一言で言うと・・・・
それ以前の問題
という感じでしたね。
例えるなら、
卓球ならラケットの握り方から教える
料理なら人参の切り方から教える
という具合です。
まあ、この位なら実際に正しい持ち方、切り方を見せれば良いのかもしれませんが、
例えばそこに「どうしてこういう持ち方をするのか」「どうしてこういう切り方をするのか」
という理由まで指導するとなると、やはりモノを言うのは英語力。
これはPCインストラクターやコミュニティ開発も同様です。
従って、活動で必要なのは職種に関する技術や知識よりもむしろ英語力、という訳です。
逆に言うと、
ある程度の英語力があれば、それだけでも活動で活躍できる可能性は高まると思っていいでしょう。
職種に関することだけではなく、前述したように英語を教える事も出来ますし、日本語や日本文化を教えて日本の事を知ってもらうのも立派な国際交流です。
英語力があれば、自分次第で活動の幅は大きく広がるという事ですね。
まとめ
青年海外協力隊には「英語教師」という職種はありませんが、
英語教師をしている方は現地で活躍できる可能性はかなり高いでしょう。
なぜなら、
指導をするにしても、現地人とコミュニケーションをとるにしても
基盤となるのは語学力だからです。
様々な職種に関するどんなにスゴイ知識や技術よりも、大切なのは「ある程度の英語力(語学力)」
要請の応募条件をっ満たしているのであれば、応募してみる価値は十部にあるかと思います。
英語教師の経験は必ず現地で役に立ちますので、自信を持って応募してみましょう。
青年海外協力隊への応募を考えている英語教師の方は、このあたりを自覚&アピールしてして面接に臨むと良いかと思います。
是非、参考にしてみて下さい。