青年海外協力隊は「海外転出届」をするべき?
1年以上海外居住をする予定がある場合は、基本的にお住いの市役所や区役所で「海外転出」の手続きをします。
海外転出の手続き自体は非常に簡単で、国内での転出届とほぼ変わりません。
所定の用紙に必要事項を記入し、転出先に「フィリピン」とか「タンザニア」とか国名を書くだけです。
海外転出をる際は国民健康保険の保険証とマイナンバーカードを返納する必要があります。
国民健康保険は一応出国日まで有効ですので、後日、役所でもらえる返納用の封筒に入れて郵送すればOKですね。
この「国外転出」の手続きをすることを「住民票を抜く」なんて言ったりしますけど、
私の場合は住民票は抜いてきました。
青年海外協力隊に参加するのであれば、基本的には住民票は抜いてしまってOKです。
手続きをしないと保険料と住民税がかかってしまうから、ですね。
派遣前の表敬訪問で区役所・市役所を訪れる機会があるかと思いますので、一緒のタイミングで手続きをしてしまえば良いかと思います。
国民健康保険に加入していないと
例えば、一時帰国時に歯医者に行きたい!
みたいな時に保険を使えなくなるというデメリットがあります。
が、青年海外協力隊の場合は病気やケガがあった場合JICAが全て医療費を負担してくれます。歯医者に関してもほぼJICA負担で受診できるはずですので健康保険に加入している必要は全くありません。
私は個人で起業して渡航していた時も住民票を抜いて行ったのですが、同じように一時帰国で日本の歯医者を受診しましたが
・・・・結構な額の診察費がかかりました。海外在住者用の保険はそれ自体が結構高額ですからね・・・
個人で海外起業するには、このような面も考慮しなければいけません。
個人で事業を起こすような人は保険に加入せずに渡航する人も多いようですね。
帰国後に海外の、特にアフリカや盗難アジアのような途上国の零細日本法人で仕事をしようと考えている人は、会社負担で保険に加入できるのかどうかは必ず確認しておきましょう。
青年海外協力隊に派遣中の住民税は?
ご存知の方も多いかと思いますが、住民税は前年の所得額に応じて決められますので、派遣された年とその翌年は、転出手続きをする・しないに関わらず住民税が請求されます。
厳密にはその年の1月1日に日本にいれば、前年の所得をもとに同年の6月~翌年5月まで住民税を支払う事になります。
それを支払うためにJICAから「国内支出手当」が毎月振り込まれますので、銀行から引き落とされるように忘れないで手続きをしておきましょう。
例えば、2019年度1次隊の場合、派遣されるのは2019年の6月もしくは7月になります。
2019年の1月1日はほとんどの人が日本にいると思いますので、
2019年の6月~2020年5月までは、2018年の所得に応じた住民税を支払う必要があります。
2020年、2021年の1月1日は日本にいませんので
2020年6月以降2年間は住民税は課税されません。
ただし、もちろんですが不動産を持っていて家賃収入があるなど、日本国内の所得がある場合は話が別です。
海外に住んでいても、きちんと確定申告をして所得を報告する必要があります。
海外に住んでいて、誰が各地申告をするのという話ですが、納税管理人という制度がありますので代わりの人(家族、友人、税理士など)に代わりにやってもらえばOKです。
固定資産税や自動車税はどうなる?
固定資産税は非居住者も支払う必要がある?
固定資産税はどこに住んでいようと課税されます。
住民票を抜こうが、そのままであろうが関係ありません。
近年ではマイホームの購入はリスクだという考え方も増えてきていますが、税金の面からもマイホームの購入で自由に動けなくなる、という事が言えそうですね。
自動車税は「一時抹消手続き」がおすすめ
持っているだけでも課税される自動車税や、車検時にかかる自動車重量税は「一時抹消手続き」をすることで回避することが出来ます。
一時抹消をするとナンバーが無くなりますので、公道を走ることが出来なくなりますが、一時抹消手続きは帰国後に再登録することが出来ますので、派遣中に誰も自動車を使用しない、かつ自動車を置いておくスペースが確保できるのであれば手続きしておくことをお勧めします。
一時抹消登録をすることのメリットとしては、
自動車税の支払いをする必要がなくなるだけではなく、支払い済みの自動車税が還付される場合もある、という事が挙げられます。(軽自動車は対象外)
同時に、自賠責保険の解約もしておきましょう。
自賠責保険の保険料は一括で払いますので、支払い済みの保険料を返してもらえます。
青年海外協力隊は国民年金を支払うの?
1年以上海外に居住する人は、国民年金を払う必要はありません。
ただし、これはあくまで「強制的に保険料を徴収されることが無い」というだけで、任意加入の制度を利用すれば今まで通りに保険料を支払うことが出来ます。
JICAも任意加入を推奨しています。
理由としては、事故などで障がいを負ってしまった場合に障害者年金を受け取れなくなってしまうから、とされていますね。
任意加入したうえで保険料を納めることで、海外在住期間に死亡したときや病気やけがで障害が残ったときに遺族基礎年金や障害基礎年金が支給されます。
最近では
- 国民年金はアテにできない
- 制度自体が崩壊している
- 今すぐ支払いをやめるべき
なんて声も増えてきました。
国内居住者であれば国民年金は強制加入ですが、無視して支払わない人も多いようです。
このあたりは個人の考え方によって自己責任で決めれば良いと思ますが、JICAからも年金を支払うための「国内支出手当」が一応支給されますので・・・・
ちなみに私は海外在住中は一度も払っていません。全くアテにしていない派、という事ですね。
渡航時・帰国時の注意点
最近の空港は、出国審査は顔認証システムが使用されていますよね。
パスポートを機械に置けば勝手に顔を見て本人かどうか確認してくれますので非常に簡単で、スタンプを押す必要もありません。
ただし、青年海外協力隊のように海外転出手続きをしているような人は、帰国後の転入手続きで出国日・帰国日を証明するものが必要となりますので必ずスタンプは押してもらうようにして下さい。
出国手続きの機械を通った後にスタンプを押してくれる係りの人がいますのですぐに分かります。
パスポートにスタンプがないと記念にならない、という意味合いで押してもらう人が多いように見えますが、帰国後の手続きで必要なので覚えておきましょう。
スタンプを押すカウンターでもそのように書いてありますが、まあ・・・普通見逃してしまいますからね・・・
ちなみにスタンプを忘れても、帰国便のEチケットなど何かしらを見せれば大丈夫ですので、それほど心配する必要はありません。
私も手続きに住民票が必要でわざわざ一時帰国して転入手続きをして・・・という面倒なことをしたことがありますが、スタンプを押し忘れたことがあります。
役所の人が柔軟に対応してくれて問題はありませんでしたが、スタンプがあった方がスムーズという事ですね。
まとめ
このように、海外に転出する場合には事前に様々な手続きが必要となります。
とは言え、日本での所得や自動車の一時抹消などの手続きが必要ない人は、役所に行けば1時間もかからずに終わりますので何も難しいことはありません。
個人で海外、特に開発途上国に居住する場合に一番心配なのが健康保険に関することだと思うのですが、
青年海外協力隊は医療費が全てJICAもちという事もありますので、
保険に関してなにも心配する必要がないというのは青年海外協力隊の大きなメリットだと思いますよ。