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【体験談】青年海外協力隊 持ってて役に立ったスキルと欲しかったスキル

青年海外協力隊ではどんなスキルが必要になる?

今回は私自身の体験談を踏まえて「青年海外協力隊で持っていて良かったスキルと持っていれば良かったスキル」というテーマでお話しします。

 

青年海外協力隊で必要になるスキルは様々だと思いますが、一番必要なのはやっぱり「語学力」。

言葉が通じなければ始まりませんからね。

ただ、語学力の重要性は他の記事でもさんざん主張していますので、今回は「語学力以外」で、私自身が活動での体験を通じて必要だと思ったものを紹介していきます。

 

 

ちなみに・・・

私自身の職種や派遣国は非公開にしていますが、

地方都市の職業訓練校で技術を指導するのが主な活動でした。デザインとか、料理とか、建築、とか、服飾、とかそういう系統の職種ですね。

 

職業訓練校ですので、指導する対象は高校卒業以上の人たち。

年齢的には20歳~30歳くらいの比較的「大人」が中心でした。

 

似たような職種・要請の人は参考にしていただければと思います。

配属先の状況

配属先に赴任した当初、一番苦労したのが「自分の授業が出来ない」という事でした。

新学期が始まるのが1月で、私が赴任したのが7月。

8月はターム休みで、9月からの新学期は12月の最終試験に向けた学期なのであまり授業が行われない・・・・

 

そもそも、1年の途中から赴任してきたので既にタイムスケジュールが決まっており、入り込む余地が無い、という状況でした。

 

同僚の授業を手伝う事はあっても、自分の授業は「自主講座」という形で開催するしかありませんでした。

 

自分で生徒に声をかけて、授業の準備をして、それでも生徒が来てくれなかったり・・・・

こういうことは青年海外協力隊ではよくあることだと分かってはいましたが、なかなかシンドイものがありますよね。

自分がやることがないから、別に求められてもいない授業を無理やり企画しているのですから・・・・

 

大切なのは「卒業証書」

他の国でも同じ事があるかと思うのですが、私の派遣国は完全な「サティフィケート社会」でした。

就職するにあたり、大切なのは卒業証書。

 

技術がモノを言うような、例えば調理師のような仕事であっても卒業証書で判断される社会です。

なので、卒業証書と関係のない私の授業なんてそもそも受ける必要はありませんよね。

 

 

日本でも「受験と関係ないから」・・・と音楽や体育の授業をおざなりにする高校生がいると思いますが、似たようなものです。

 

同じ学科の同僚でさえも、「ティーチャーズカレッジ」を卒業したというサティフィケートがあるだけで、実際にその職種に関する実務経験は全くないという人もたくさんいました。

 

デザインの指導法を学んだ、というだけで、デザインに関する仕事の実務経験は全くない。そういう人たちが授業を教えている訳です。

 

となると、デザインの仕方は(一応は)教えることは出来たとしても、デザインを仕事にする喜びだったり、苦労だったり、心構えだったり、そういう事はなかなか教えられませんよね・・・・

生徒の興味を引くためにやったこと

受ける必要のない授業を受けてもらうために

つまり、私の授業を受けたいと興味を持ってもらうために私がやったことは

 

分かりやすいスキルを実演する

という事です。

例えば・・・・

  • デザインだったら、みんながあっと驚くような作品を作る
  • 料理だったら、誰も見たことが無いような飾り切りをやってみる
  • PC系だったら、ちょっと楽しい簡単なゲームを作ってみる

そんな感じでしょうか。

 

草サッカーの試合前にリフティングのスゴ技を相手チームに見せる、みたいな感じでしょうか。

実は得意なのはリフティングだけでサッカーそのものは大したことが無いとしても、相手チームにジャブを与えることは出来ますね。

 

 

こういう周りがアッと驚くようなスキルを持っていると、比較的簡単に興味を持ってもらえるようになりますね。

ちなみに、この「アッと驚くスキル」はハッタリでもOKです。

「ハッタリ」というのは「実はそれしかできない」という事です。

 

 

それほど高度なレベルのスキルでなくても(日本ではそれほど珍しくなくても)、驚いてもらえる可能性は高いでしょう。

もちろん引き出しはたくさんあるに越したことはありませんが、

 

「つかみ」というか、「アイスブレイク」というか・・・・

事前に集中的に練習して、何か一つ武器を持っているだけでも大分変ってくるはずですので、職種に関するキャッチーなスキルを何か身に付けておくことをお勧めします。

 

もちろん職種に関するスキルであればベターですが、もちろん職種と関係ない「特技」のようなもの、人が自分に目を向けてくれるようなものなら大丈夫です。

 

私自身は特にこのために練習したという訳ではなく、仕事柄もともと持っていたテクニックを見せただけですが、分かりやすい技術を実演することで、

たくさんの人だかりができて、

「教えて欲しい」という声がたくさん上がり、その後の活動がやりやすくなったのは事実です。

とにかくハッタリでもいいので、「こいつはスゴイ」と思わせるのは結構大切なのかな、と思います。

基本的に情熱が足りていない

派遣中に一番苦労したことは、やはり「生徒や同僚に情熱が無い」という事でした。

 

そして、それは私だけではなく、多くの青年海外協力隊の隊員が痛感していることだと思います。

先ほど紹介したような小手先の技術であとりあえず興味を持たせることは出来ても、継続してやる気を出すという訳ではありません。

一時的に興味を持って試そうとするものの、上手く行かずにすぐに諦めてしまう人がほとんどでした。

 

 

これはなかなか難しいですよね・・・・

みんなにやる気があって、自分の持っている知識や技術を積極的に求めてくるなら、こんなにラクな事はありません。

 

どんなに高度な知識や技術を持っていたとしても、相手に身につける気が全然なければしょうがないですよね。

 

だから、まずは相手にやる気を出してもらうことが必要だったりする訳ですが・・・・

 

 

自分が情熱を持っていないと、人に情熱を持たせることは簡単な事ではありません。

そして、たった一人で情熱を持ち続けるのも簡単な事ではないと思います。

 

たったの2年しかいないんだから、全力でやろう

と思うよりも

どうせ2年で帰るんだから、まあいいか

と思う方が楽だし、そういう風にやる気を失ってしまう人の方が多いのではないかと思います。

 

 

しかし、そんな時に「情熱のある他のだれか」が周りにいれば、自分も情熱を持ち続けることが出来ると思うんですよね。

 

だから、活動が上手く行くかどうかはカウンターパートや同僚に左右される部分はかなり大きいと思います。

もともと情熱溢れるか配属先だったらラッキーなのですが、恐らくそんなことは滅多にありません。

なので、まずは自分が火種になるしかありません。

 

「人の心に火をつける能力」というのは青年海外協力隊では非常に大切になってくるかと思います。

 

まあ・・・協力隊でなくても、部下を持ってマネジメントをする立場の人なら多少なりとも求められる能力ですからね。

こういうスキルはその人のキャラクターに左右される部分も大きいと思いますので、

こういう機会に一度見直してみるといいかもしれません。

 

私自身、やる気のない人を焚きつけて、巻き込んで、という事が非常に苦手で、協力隊を通じて「自分に足りていない」と痛感したことですので、その後モチベーションという点については色々勉強してみました。

割と参考になった書籍をいくつか紹介しますので、興味のある人はどうぞ。

 

 

 

 

 

青年海外協力隊 あって良かったスキルと欲しかったスキルまとめ

という訳で、

青年海外協力隊で私が持っていて非常に役に立ったスキルは

人をアッと言わせることが出来る(パフォーマンス的な)テクニック

そして、あれば良かったと思うスキルは

人の心に火をつけるスキル

です。

 

あくまで私個人の体験から、「あって良かった」「あれば良かった」と感じたものですが、

何かの参考になればと思います。