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「貧しい=ハングリー」はウソ。途上国の子供達に必要な事

途上国の貧しい人たちはみんなハングリー精神に溢れている?
今回は「貧しい=ハングリーはウソ」というテーマでお話します。
青年海外協力隊が派遣されるような開発途上国の人たちはみんなハングリー精神に溢れている・・・・
多くの日本人はそんなイメージ、先入観を持っているのではないでしょうか。
記事のタイトル通りですが、結論からお話します。
途上国の人たちは基本的に怠惰で、ハングリー精神を持つ人はあまりいません。
実を言うと、私が青年海外協力隊にさんかして一番驚いたのがコレだったのです。
ハングリー精神どころか、怠惰でやる気のない人ばかり・・・・
「そんなだからいつまで経っても発展しないんだよ」
なんて思ったこともあります。
では、貧しい=ハングリーという先入観は一体どこから来たのか。
彼らが向上心を持つには何が必要なのか。
そのあたりについてお話していきたいと思います。

「貧しい=ハングリー精神」はどこから来ている?

まず、どうして日本人の多くが「貧しい=ハングリー精神」という先入観を持っているのかを考えてみましょう。

「貧しいけれどハングリー精神で成功した人」と言えば、やはりスポーツ選手やミュージシャンを思い浮かべる人が多いかと思います。

私自身がサッカーをする人なので、サッカーを例に挙げると

 

ブラジルやアルゼンチンでは貧民街出身のスーパースターがサッカーでのし上がり、ヨーロッパで活躍する事例はたくさんあります。

 

アルゼンチンのスーパースターであるマラドーナも貧困層出身ですし、

世界NO.1プレイヤーであるメッシも子供のころは成長ホルモンの分泌異常という病気を抱えていました。

それでも自分の実力でバルセロナに認められて医療費も負担してもらい、世界一の選手になった訳ですよね。

南米にサッカー留学する日本人選手も多く、現地の若いプレーヤーの意識の高さ、真剣さ、ハングリー精神が彼らの体験談からも語られるのを耳にしたことがある人も多いと思います。

 

貧しいながらに努力と根性でのし上がり成功するというストーリーは日本人好みなのか、漫画でもドラマでもそのようなストーリーは昔から割と定番ですよね。

 

自分もあんな風になって、金持ちになりたい。家族に楽をさせてあげたい」

これがハングリー精神の源なのでしょう。

しかし現実は・・・

しかしながら、私の見たアフリカの貧しい人たちの多くはそうではありませんでした。

大人たちは、自分たちが貧しいのを国のせいにし、他人のせいにし、

  • 自分たちは何も悪くない
  • 助けてもらって当たり前
  • お金があれば、国が良ければ、何も問題はなかった

とでも言わんばかりで、向上心なんてかけらも見当たりませんでした。

 

青年海外協力隊というのは、先進国の技術や知識を無料で学ぶことが出来る大きなチャンスであるはずです。

でも、積極的に知識を吸収してやろう、他の世界の事を知ってやろう、というような人はほとんどおらず

期待しているのはお金やモノばかり。

 

 

もちろんすべての人がそうだとは言いません。中には向上心を持って積極的に学ぶ姿勢がある人もいます。

厳密に言うと、向上心を持って積極的に学ぶ姿勢を時々見せる人もいます。というべきでしょうか。

 

大半の人に向上心なんて見られなかった。

真面目に頑張るよりも、人のモノを盗んだり、騙したり、そういう悪い事、楽な事を考えてしまう人の方が多いかもしれません。

これが私の2年間の感想です。

 

では、南米のサッカー選手を目指す子供たちと、私が青年海外協力隊で見てきた人たちには一体どんな違いがあるのでしょうか?

ハングリー精神を持つ人と持たない人の違い

あくまで私の意見ですが、私が青年海外協力隊で見てきた「ハングリー精神を持たない人達」は

「頑張っても無駄」と思っているような気がします。

 

まあ、本人たちは頑張っていると主張するかもしれませんが、頑張りの程度が非常に低いと言うか。

 

日本は金持ちだから、と多くの人は言いますが、何もせずに初めから金持ちだったと思っているような発言も多く、ちょっとムッとすることもありました。

優秀な人材はほとんど国外に出てしまいますが、国外に出るにはそもそもある程度お金がある家柄じゃなければ難しいですよね。

せいぜい南アフリカに出稼ぎに行くのが関の山です。

 

 

大人が「頑張っても無駄」と思っているのなら、子供だって諦めてしまうのではないでしょうか。

 

こんな話を聞いたことがあります。

私のいた国では、良いビジネスのアイデアを思いついても、公的な機関を含めて誰にも話すことが出来ないそうです。

何故かと言うと、そのアイデアを盗まれてしまうから、だそうです。

 

ビジネスのアイデアを話せなければ資金調達も出来ませんよね・・・・結局金を持っている人に握りつぶされてしまうのを恐れて何もできない、というケースはあるみたいですね。

 

 

こういう事情もあって、頑張りたくても頑張れる環境がない。結果、頑張る事をやめてしまう。

あってもおかしくない話だと思います。

 

一方・・・南米のサッカーでは、家柄に関係なく優秀であればスカウトに目をかけられる可能性があるでしょう。

有名チームは能力とポテンシャルが高い子供を探し、プロとして育成する。世界に通用する選手を育成するためのシステムもコネクションも整っている。

ビッグクラブの下部組織に行けば、衣食住も教育も与えられる。

チャンスさえつかめば明確な成功への道のりが存在します。

 

音楽やテレビ、映画などでもオーディションなどがあるでしょうし、

実際にそういう道を辿って成功した、子供の憧れのスーパースターがたくさん存在する訳ですよね。

 

貧しくても頑張れば成功できるという事例があって

子供たちのヒーローになれるような存在がある

 

一方、アフリカのサブサハラや大洋州の国々は・・・・?

金持ちと言えば、まず不当にお金を搾取する政治家たちが連想されるのではないでしょうか。

私の派遣国にもサッカーの国内プロリーグがありましたが、トップ選手でも月収1000ドル程度という事でした。

さらに活躍して国外リーグでプレー出来れば話は違うんでしょけど、育成年代のレベルから環境がまるで違いますから、簡単な事ではないと思います。

 

貧困から這い上がった、子供たちの憧れになれるようなスーパースターの存在。

成功へのロードマップ。

 

これがハングリー精神を持つ人と持たない人、両者の大きな違いだと思います。

 

私の派遣国のような、向上心の無い人が多い国には、

国民の目標になれるようなスーパースターが必要なのかなと思います。

まとめ

どんな分野でも、教育レベルが劣る開発途上国では先進国に勝る人材を育成するのはかなり難しいかもしれませんが、働き方が多様化している現代ではチャンスは少しずつ大きくなっているのかもしれません。

 

なかなか目を向けられる事の少ない開発途上国の状況を世界に発信することで、もしかしたら関心を持ってくれる人が現れるかもしれません。

 

面白い作品だったり、優秀な人材だったり・・・日の目を見ない才能が発掘される可能性も少しは高くなっているのかもしれません。

 

こういう情報発信の手助けをすることも、現代ならではの国際協力と言えるかも・・・・と思った次第です。