青年海外協力隊は技術や経験がなくても合格できるの?
高校や大学在学中の20歳未満の方、
もしくは20代前半の方でJICA青年海外協力隊への参加を考えている人は
このような事を心配するケースが多いようですね。
- 語学に堪能じゃなければ合格しないんじゃないか
- 学生スポーツで結果を残した人しか参加できないんじゃないか
このように、自分になにか特別な技術や経験、実績がないと参加できないのでは?
と心配する人は多いみたいですね。結論から言うと
特別な技術や経験がなくても協力隊に合格する人はたくさんいるし、むしろそういう人の方が活躍できる印象があります。
という訳で、今回は特別な技術や経験を持たずに協力隊に参加してきた20代の人たちの事を、裏話を交えながらお伝えしていきます。
20代前半の青年海外協力隊はどんな人が多い?
20代新卒の隊員はどのくらいいるの?
私は4月訓練スタートの1次隊でしたので、特に新卒の若い隊員が多かった印象があります。
彼らは大学卒業したてなので当然職歴というものがありません。
当時、新卒の隊員は全体の3割ほどを占めていたかと思います。(これは隊次にもよると思います)
一番若い隊員は大学在学中の20歳。
大学を休学して参加してくる人も少数ですが、居なくはありません。
20代新卒の隊員の職種は?
新卒の隊員の職種はほとんどが
青少年活動 か スポーツ系の職種
だったと思います。
少数ですが、農業系の大学卒業で野菜栽培や農業という職種の方もいましたね
青少年活動という職種は特別な資格・経験が必要ない職種の代表です。
大卒以上、などの要請が多いのではないでしょうか?
主に現地の初等教育、つまり小学生の年代の子供たちを指導する「学校の先生」になる要請が多いと思います。
算数や理科を教える要請もあれば、障がいを持つ子供たちの学校で図工など教える要請もあります。
スポーツ系の職種というのは主に
体育の授業を担当する体育教師
そしてサッカー、野球、バレーボールなどの各種スポーツの職種です。
- 体育の職種は体育系の大学を卒業した人
- スポーツ系の職種は、それぞれのスポーツを大学の部活レベルでやっていた人
新卒の隊員はこのような感じの人が多かったかと思います。
新卒の協力隊は青少年活動かスポーツ系の職種が多い
特別な資格や経験がなくても応募できる職種
私の隊次では該当する新卒の隊員はいなかったものの、
特別な資格や経験なしでも応募できる職種があります。
ただし、同じ職種でも要請によって学歴や資格が必要となる場合があります。
同じ職種でも内容はそれぞれ違いますので、一通り要請内容をチェックしてみると
自分が出来そうな要請が見つかりやすいかと思います。
PCインストラクター
高度なパソコン知識がないと出来ないのではないかと思われがちですが、実はそんなことはありません。
(これは意外と知られていません)
私も同じ任国の同期にPCインストラクターがいましたが、パソコンの仕事の経験があった訳ではありませんでした。
オフィスソフトがきちんと使えればOK、という場合もあります。
パソコンの基本的な知識はある、という方ならチェックしてみるといいかもしれませんね。
コミュニティ開発
世間的な協力隊のイメージ=「コミュニティ開発」の職種ではないかと思います。
「一村一品運動」などもこの職種に当てはまりますが、要請内容は多種多様。
要請数が非常に多い代わりに応募者も多く、倍率が高い職種です。
「ザ・協力隊」の職種とも言えるコミュニティ開発の隊員は
どんどん周りを巻き込んでいくような、元気のある人が多いイメージがあります。
コミュニケーション力に自信がある人や、元気だけが取り柄!という人に向いている職種ではあるかと思います。
感染症・エイズ対策
コチラも資格・経験が必要ない職種の代表格ですね。
私自身、周りにこの職種の人がいなかったので詳しくはわかりませんが、
隊員が企画した、HIVに対する理解を深めるための演劇をビデオで見て涙を流した記憶は残っています。
コミュニティ開発同様、人を巻き込んでいけるキャラクターを持つ人は向いている職種だと思います。
新卒で協力隊を目指すなら
この3つの職種は「経験や資格がなくても応募できる職種」の代表格として名高いため、
一般の社会人の応募も多く、倍率が高い職種と言われています。
近年では協力隊の応募者自体が減少傾向にあるので、試してみる価値は十分にあると思います
- 王道は青少年活動。
- スポーツ経験があるならスポーツ系
- パソコンの基礎知識があるならPCインストラクター
このあたりをチェックしてみるといいのではないでしょうか。
裏話 特別な技術や経験がなくても海外協力隊に合格できる?
そういう訳で、
特別な知識や経験がなくても協力隊に合格する可能性は十分あります。
※ここから裏話
というか・・・
一見高度な技術や知識が必要そうな職種でも、実際は割と簡単に受かります。
要請で必要とされている学位や経験年数をクリアしてさえいれば
実技などは最低限の事だけで、ほとんど見られることはありません。
競合がいなければ、まず受かると考えて良いと思います。
JICAは基本的に、協力隊に参加したい人に対しては非常にWELCOMEだという事を覚えておきましょう。
言葉を選べずに言えば、
英語もダメ、職務経験もなし、コミュニケーション能力も特にない、何ならちょっと肥満気味・・・・
という新卒の隊員もいました。
一次試験は健康や語学力によほど問題を抱えていなければ、まず落ちません。
1次試験で落ちた人のブログなどを見ていると、
- そもそも要請に必要な学歴や資格などを満たしていない
- 相当偏ったボランティア論を振りかざしていたりする
という傾向がありますね。
普通、というと何が普通かという話になってしまいますが、普通に受ければ普通に受かります。
JICA側も、出来れば多くの人を派遣したいというスタンスなのですから。
2次試験では、落ちるとしたら
競合に負けてしまった場合くらい、
だと考えていいと思います。
それが唯一のハードルだと思ってもいいくらいですね。(あくまで個人的な見解です)
実際の技術などほとんど見られませんので、
技術試験では試験官に最低限の技術や知識があるように思わせることさえできれば受かると思います。
実際の活動では、高度な技術や知識が求めれることなどほとんどないからです。
最低限の知識や技術でも、はっきり言って充分通用します。
上手く活動していく為には、むしろ技術や知識以外の部分が重要となってきます。
また別の記事にしますが、私個人的には
技術移転は青年海外協力隊の本質ではないと思っています。
なので、
自分の未熟な技術や知識でやっていけるだろうか・・・
という心配は一切無用です。
とりあえず受けて見れば意外とすんなり合格するかもしれません。
まとめ
今回は私が伝えたかったことは
青年海外協力隊合格のハードルは、あなたが思うほど高くない
という事ですね。
技術や経験、職歴、資格などは活動に入ってしまえばあまり関係ないと思います。
もちろん最低限の技術や経験が必要な職種は多いですが
言い方を変えれば、最低限の技術と経験があれば合格基準は満たしていますし現地で通用します。
職歴のない新卒の方は選択できる職種が限られますが、
競合の少ない要請を選べば合格する可能性は十分にあります。
自分に出来るだろうか、という心配は一切無用ですので、
まずは自分が応募資格を満たしている要請を探してみると良いかと思います。