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JICA青年海外協力隊が絶対にやってはいけない事① 「闇」任国外旅行

こんなに近いんだから、ちょっとくらい隣の国に遊びに行ってもバレないよね?
JICA青年海外協力隊には「任国外旅行」という制度があります。
年間20日を上限に、派遣国以外の国へ旅行に行けるという制度ですね。
この旅行には様々な制約があり、旅行に行ける国も事前に決められていますし、滞在先やフライト情報、配属先の許可証などの書類をJICAに提出しなくてはなりません。つまり非常に面倒くさいのです。
そこで、たま~にこっそりと旅行に行ってしまう「闇任国外旅行」をする隊員がいます。
先に結論からお話します。
闇任国外旅行はバレます
どうしてバレるのか
バレたらどうなるのか
今回はそんな「闇任国旅行」についてお話します。

青年海外協力隊の闇任国外旅行 概要

任国外旅行が出来る国

冒頭で軽く説明しましたが、任国外旅行には様々なルールがあります。
まず、派遣国によって渡航できる国が決められていますので、どこでも行けるという訳ではありません。
どこの国からどこの国に行けるか。
これは外務省によって決められているのですが、隣の国でも渡航できないというケースもありますし、ヨーロッパの国に行ける、という国もあります。
さらに細かい所では、「陸路渡航禁止」などのように移動手段が決められている場合もあります。
ですが・・・
これはあくまでも外務省が定めたルールというだけの話で、その気になれば
アメリカだろうがソマリアだろうがシリアだろうが
どこにでも行くことが出来ます。
青年海外協力隊は「公用旅券」を持っていますから、基本的にはどこの国にも入国できるはずです。

KAERU
KAERU
公用旅券は「緑」のパスポート。任期が終わればVOID処理後にもらえます。

任国外旅行のルール

任国外旅行に行くには、様々な旅程を記載した書類を提出しなくてはなりません。
  • フライトの便名や時間
  • 滞在先のホテルや知人の住所・連絡先
  • 入国予定日時・出国予定日時
  • 配属先の許可
などが挙げられます。
国によっては受け入れ人数に制限があって事前予約が必要だったり
入国時に受入国のJICA事務所に連絡を入れる必要があったりします。
これはもちろん隊員の所在確認のためには絶対に必要な事で、国内旅行の際にも書類を提出する必要はあります。

つまりですね・・・結構面倒くさいんです。

なぜルールを破るか

私は今まで、ルールを破って闇任国外旅行をした隊員を何人も見てきました。

 

当時は「闇任国外旅行はバレない」と言われていたんですね。先輩からそのように聞かされていたという訳です。

ルールを破ってまで闇任国外旅行をする理由としては、このような感じでしょう。

どうしても行きたい国が、渡航対象外だった

例えば、当時のアフリカでは、ナミビアがどこの国からも任国外旅行に行けない閉ざされた国でした。

ナミビアを旅行できるのはナミビア隊員だけだった訳ですね。(現在は許可されたと聞いています)

ナミビアにはナミブ砂漠やヒンバ族の村をはじめとした見どころがたくさんありますので、絶対行きたいと思っていた人も多かったはずです。

ちょこっとだけ入国したかった

またアフリカの話ですが、世界三大瀑布の1つ、ビクトリアフォールズはザンビア、ジンバブエ、ボツワナ、ナミビアの国境に位置しています。

特にジンバブエーザンビア間の国境は橋の真ん中にあるため、お互いに「入国」という形を取らなくても同じ空間に足を運ぶことが出来ます。

ザンビアージンバブエの国境で同期と会う、というのが割とお決まりのパターンなのですが、

元々入国するつもりがなかったけど、盛り上がってしまってついついどちらかの国に滞在してしまう

元々行くつもりがなかったボツワナのチョベサファリツアーに行きたくなって、ボツワナに入国してしまう

というのは、これもまたお決まりパターンだと思います。

飛行機移動なんてやってられない

先ほども説明しましたが、国によってはバスでの陸路渡航が禁止されている場合もあります。

これもまたちょっと不思議で、

A国隊員は陸路でB国に行けるのに

B国隊員がA国に行くには飛行機を使わなければいけない

という謎のルールがある場合があります。

 

 

あなたがB国の隊員で、任地がA国との国境沿いだったらどう思いますか?

 

 

バスで行けば数時間。数千円足らずで行けるのに、

わざわざ空港のある首都まで上京して、数万円払って飛行機に乗るなんて、馬鹿げてると思いませんか?

こんな時、どうせバレないから黙って行っちゃえって思う人がいてもおかしくないですよね。

そもそも頭のネジがぶっ飛んでいる

たまにこういう隊員いますよね・・・

ルールなんて関係ねーし、みたいに本当に後先考えない人・・・

こういう人は、渡航が認められていないワケの分からない国に行ってしまったりします。

 

闇任国外旅行はなぜバレる?

闇任国外旅行の記録が残るのは、もちろんパスポートです。

派遣前訓練の時から、この「公用パスポート」は

絶対に

汚したり、無くしたり、余計なスタンプなどを押したり、何かを書いたりしないように、

JICAから厳重に注意を受けます。

毎年無くしたり盗まれたりする隊員が何人かいるようで、実際はJICAが外務省から厳重に注意を受けるらしいですね。

 

 

 

なので、パスポートを紛失したことにしてしまえば、JICAからメチャクチャ怒られるだけで証拠隠滅することが可能、とも言うことが出来ます。

 

別に怒られるくらいならどうってことないと考える人もいるんでしょうねぇ。

で、実際にそうやって失くしたことにして証拠隠滅を謀る隊員もいる訳です。

 

 

そこで、実施されたのが「抜き打ちパスポートチェック」です。

 

 

パスポートのすべてのページの写真を撮り、JICAに提出するというものでした。これは実際にありました。

提出書類に記載されている入国予定日時、出入国した場所、全て細かくチェックされます。

 

 

なので、全く違う国に行くのはもちろん、ちょっと予定を変えたりしても全てバレる事になります。

SARU
SARU
実際にバレた人は何人もいました。

 

なので

「闇任国外旅行はバレます」

という事ですね。

闇任国外旅行 バレたらどうなる?

当時、闇任国外旅行がバレた隊員は

  • 厳重注意
  • 始末書
  • 闇任国外旅行で派遣国を離れていた期間の生活費カット

という措置がとられました。

まあ・・・処遇としてはかなり甘いですよね。

 

その気になれば言い訳はいくらでもすることが出来ますし、

JICAの事務所としても問題を大きくしたくないという気持ちももしかしたらあったのかもしれません。

 

 

明らかな故意のルール違反であれば、強制送還、手当の没収くらいでもいい気はしますがね・・・・

USAGI
USAGI
悪質なルール違反で強制送還になった隊員も実際にいます。

 

ただ、このような事が続けば任国外旅行制度そのものの見直しがされる可能性は十分あると思います。

 

 

10年くらい前は、帰国時の任国外旅行が認められていました。

任期を終え、日本に帰国するついでに他の国へ旅行することが出来ました。

しかし、なかなかかえって来ない隊員やルールを守らない隊員がいたのでしょう。

今ではその制度そのものが無くなり、真っ直ぐ日本に帰国しなければなりません。

 

 

バカな隊員のバカな行動のために、後輩に迷惑をかけたといういい例ですね。

 

まとめ

今回の話をまとめると

闇任国外旅行はバレる
ルールを破っていると後輩に迷惑がかかる
という事です。

 

 

自分たちさえ良ければいいという考えの人もいるかと思います。

ルールを破った本人が罰を受けるのは勝手ですが、人に余計な迷惑をかけような人間にはならないで欲しいと思います。

 

 

というより、そもそも任国外旅行のルールは皆さんの安全を守るためのもの。

取り返しのつかないような事件が起こることだってあるかもしれません。

 

そういう訳で、「闇任国外旅行」は軽い気持ちでついやってしまいがちですが、

絶対にしてはいけません。

ルールを守って堂々と旅行を楽しんで下さいね。