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JICA青年海外協力隊の年齢上限は?シニアの年齢は?

青年海外協力隊の年齢上限が引き上げられたって本当?
今回は「青年海外協力隊×年齢」というテーマでお話します。
ご存知の方も多いと思いますが、2018年、JICAボランティア事業は「JICA海外協力隊」と名称が変わり、それに伴い年齢上限にも変更がありました。
とは言え、「青年海外協力隊」という名前がなくなった訳ではありませんので、ちょっとややこしいと感じる方もいるかもしれませんね。
年齢上限については気になる方もいるかと思いますが、ちょっとややこしくなっていますので解説していきます。




JICA海外協力隊の年齢上限は?

これまでのJICAボランティアの年齢区分は?

今までのJICAボランティア事業は大きく分けると

 

  • 青年海外協力隊(長期・短期)
  • シニアボランティア(長期・短期)

という感じでしたね。南米の日系コミュニティに派遣される日系社会ボランティアというものもありますが、年齢で区分すると・・・・

 

  • 20歳~40歳 → 青年海外協力隊
  • 41歳~70歳 → シニアボランティア

 

という区分でした。

 

青年海外協力隊は40歳まで・・・という認識でいる人も多いかと思います。

 

現在のJICAボランティアの区分と年齢上限は?

現在はボランティアの呼称と年齢上限が少し複雑になっていますので、表にまとめてみました。

 

呼称 年齢 案件
青年海外協力隊(長期) 20~45歳 一般案件
青年海外協力隊(短期) 20~40歳 一般案件
海外協力隊 46歳~70歳 一般案件
シニア海外協力隊(長期) 46~70歳 シニア案件
シニア海外協力隊(短期) 40~70歳 シニア案件

厳密に言うと、その時の募集によって応募資格は生年月日が○○年〇月〇日~○○年〇月〇日と細かく定められていますので多少の誤差が出る場合もありますが、ざっくり言うと上の通りになります。

 

いくつかポイントを説明していきましょう。

一般案件とシニア案件の違い

一般案件は、今までの職種・要請と同じものと考えて良いかと思います。一般案件はこれまでと同様に、コミュニティ開発、体育教師、理科教師などの「職種」に対して応募します。

一方、シニア案件というのは

一定以上の経験(15年以上など)や特殊な技術が必要な案件で、こちらは個別の案件に対して応募します。

 

より高い専門性が求められる案件がシニア案件というイメージですね。

まだ要請が公開されていないので、どのくらいの要請があるのかは不明ですが、46歳以上の方でも応募できる一般案件もあるようです。

 

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シニア年代でも一般案件に応募することは出来るけど、支給される手当などの待遇は青年海外協力隊と変わらない、という感じだと思います。

今までのシニアのような厚待遇をもらうには、より高い専門性が求められる、とも言えますね。

 

短期と長期で年齢上限が違う

短期ボランティアは従来通り、青年海外協力隊は20~40歳。シニアは41~70歳となっていますね。

ちょっとややこしいですが、長期・短期のどちらにするか決めかねている人は押さえておいた方が良いと思います。

年齢上限の変更の背景は?

これはあくまでも私の想像ですが、この年齢上限や呼称の変更は

JCAボランティアへの応募が減っている事と

ボランティア事業の予算の削減

という背景があるのではないかな、と思います。

 

シニア年代が応募できるボランティアは専門性の高いものとそうではないものに分けられ、それほど専門性の高くない案件は一般案件扱いになり、予算が引き下げられた、というイメージでしょうか。

東南アジア諸国も生活水準がどんどん上がっていますから、生活費がかさむという事情もあるかもしれませんね。

 

 

協力隊の応募者が減っているのには色々な事情があるかと思いますが、昔に比べて海外が身近な存在になり、簡単に行けるようになっている事が大きな理由の一つだと思います。

JICAボランティアに参加しなくても海外で働く方法はいくらでもありますからね。

それに、青年海外協力隊は国際協力、と勘違いしている人が非常に多いのも大きいと思います。

 

実際に青年海外協力隊に参加し、2年間開発途上国に派遣されれば、青年海外協力隊は「国際協力ごっこ」だという事が分かると思うのですが、

それでも参加することのメリットは大きく、帰国後に国際協力の舞台で活躍している人もたくさんいるのは事実です。

 

 

国際協力を目指す人にとっては、ステップアップとして利用するメリットはかなり大きいと思うのですが、

青年海外協力隊に合格し、派遣されることがゴールだと考える人が非常に多いんですよね・・・・

 

大切なのは帰国後に何をするかだと思いますので、2年間の活動で何もできなくても全く問題ないというのが私個人の意見です。

 

この政府公認の厚待遇の制度を利用する、くらいの気持ちで参加した方が良いと思うのですが、そのあたりを理解している人が非常に少ないのが現状ですね。

40歳を過ぎて青年海外協力隊に応募することについて

青年海外協力隊という呼称は45歳までで、それ以上の年齢で一般案件に応募する場合は「海外協力隊」という呼称が使われるようですが、

いずれにしても20~70歳までは何かしらのJICAボランティアに参加できることは変わりありません。

このくらいのミドル層になってから青年海外協力隊に応募する人はそれほど多くないと思いますが、個人的には今の時代に年齢を気にするのはナンセンスだと思います。

どうしてかというと、

 

  • 青年海外協力隊が発足したころの40代と今の40代は全然違うと思いますし、
  • 一つの会社に一生勤めるのが当たり前ではない時代ですし
  • 会社や組織に依存しない生き方が浸透しつつあるから

ですね。

 

現職参加制度というものも一応ありますが、

会社を退職してJICAボランティアに参加することで生じるリスクは昔ほど高くないと思います。

 

 

むしろ、会社や組織に依存しないで働きたいと考えている人にとっては良い準備期間になるのでは、とさえ思います。

協力隊に参加することには色々メリットがあると思いますので、

行きたいと思ったら年齢なんて気にせずに行ってしまえば良いのではないでしょうか。

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ただし・・・・

 

一つ気になる事を上げるとすれば・・・・

JICA青年海外協力隊に憧れを持つ人のイメージは実際の協力隊とは全然違う、という事は十分にあり得ますので注意が必要です。

JICA広報も、協力隊経験者も、基本的にはいい事しか言わないからですね。

協力隊にキラキラした美しいイメージを持っている人も一定数いると思いますが、実際はそうでもありませんので注意して下さい。

 

 

基本的には青年海外協力隊の活動そのものは、日本企業での仕事に比べれば「ままごと」のようなものですので、

それなりに経験を積んだ40代の人には「お遊び」に感じられる可能性が高いとは思います。

業務のレベルが低いしプレッシャーもありませんので、その職種に関するスキルアップなんて絶対にありません。

 

 

もちろん活動の質を高めるも低めるも自分次第という部分は否めませんが、

日々の業務に関しては大してやることもないし、大したことはやっていないケースがほとんどです。

 

「引くくらいぬるいし、ゆるい」です。派遣されてがっかりする人も実際に多いです。

40歳を超えたキャリアのある人材がやるような仕事ではないかもしれません。

それを理解した上で、この制度を利用して2年間をどう有効に使うか、という事が非常に大切だと思います。

まとめ

JICAボランティア事業は「JICA海外協力隊」となり、いくらかマイナーチェンジがありましたが、40歳以上の人以外には大して影響はないかと思います。

 

もともとシニア層の待遇はかなり手厚かったですから、ある程度の削減は仕方ないのかもしれません。

昔に比べてもJICAボランティアに支給される金額は縮小されていますが、それでもまだまだ、「おいしい待遇」だと思います。

普通に一般の中小企業で働いている人からしたら、「そんなに必要ないだろ」感は否めないと思います。

 

今後もボランティア事業の縮小や、支給額をはじめとする待遇が悪くなることは十分に考えられますので、参加を考えているなら早いに越したことは無いかもしれませんね。