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年齢別のJICA青年海外協力隊 30代の隊員にありがちな罠とは?

30代で青年海外協力隊ってどういう人がいるんだろう?
30代の青年海外協力隊が犯してしまいがちな失敗って何?
青年海外協力隊の年齢制限が40歳から45歳に引き上げられましたね。
今までの青年海外協力隊は40歳まで。(応募時)
40歳を超えるとシニア協力隊として扱われていました。
もちろん、要請も待遇も異なります。
現在は45歳以上がシニア案件という扱いのようですね。
私が隊員になったのは、30代半ば頃でした。
170人ほどいた同期の中では、比較的年齢が上の方でしたね。
今回は30代の青年海外協力隊に、派遣前に知っておいてほしい事についてお話ししていきます。
・30代の協力隊参加者はこんな人が多い
・30代の協力隊隊員が躓いてしまいがちな事

30代で青年海外協力隊に応募する人はどんな人?

30代と言っても、もちろん30歳から39歳までいますので
一口で語るには幅広い年齢層かもしれませんが
私の隊次では、170人中3割程度は30代だったかと思います。
30代の人は33歳前後の人がかなりたくさんいました。
35歳を超えると
36、37歳あたりの人は少なく、逆に39、40歳の人の方が多い印象でした。
39.40歳だと年齢的にも(当時は)ギリギリですので、
最期のチャンスという意味で参加を決意する人が多いかと思います。
一方、33歳前後の人はこのような人たちに分けられるかと思います。

① 以前から協力隊に参加したいと思っていたが出来なかった人

高校生や大学生の頃から協力隊に憧れていたという人もいます。
興味はあったし、参加したいと思っていたけど仕事や結婚などの事情があって参加できなかった。
しかし
  • どうしても諦めきれずに参加する人
  • 子育てや仕事が落ち着いたので参加する人
こういった人は一定数います。
既婚していながら参加する人も少なくありませんが
既婚者は基本的に現職参加制度を利用する場合が多いと思います。

② 自分の人生にどこか疑問を感じている人

30代半ばにして退職し、
協力隊の参加をきっかけに新たな人生の一歩を踏み出そうとする人もたくさんいます。
私自身、このグループに入ります。
帰国後はまた職探しをしなくてはいけませんが、

帰国後35歳前後で転職するには

年齢的にこのあたりがギリギリという考えもあるかもしれませんね。
  • 自分の生き方にどこか疑問を持っていたり
  • どうにかして人生を変えたいと思っていたり
  • 途上国でのビジネスのネタを探そうと考えていたり
もちろん人によって様々ですが、退職して参加する30代にはこのような人が比較的多いような印象です。

 

 

元々海外で働くことを夢見ていた、という人も多いですね。

帰国後に語学力を生かした仕事に就きたいと考えている人も多いと思いますが、

30代の隊員は、やはり帰国後の転職活動で苦戦する人が多いのは事実だと思います。

 

帰国時30代後半になっているようであれば、なるべく早い段階で進路を探し始めた方が絶対に良いと思います。

まだ漠然としていて具体的なイメージが沸いていない人は、

どんな仕事があって、どんな仕事をやってみたいか、検討しておくことも大切ですね。

 

英語や海外経験を生かした仕事を見てみる

協力隊を人生を変えるきっかけにしたい30代の特徴

30代の参加者には
青年海外協力隊への参加を通じて自分の人生を変えたい
という人がたくさんいます。
言い方を変えると【人生を賭けて参加している】とも言えるかもしれません。
このような人たちには、ある共通した特徴がありますので参考にしていただければと思います。

 

特徴① 高いスキルや知識を持っている

30代の参加者はこれまでの仕事の経験からも
その職種に関して高いスキル、知識、経験、自信を持っています。
職場でもそれなりのポジションについていた人が多いかも知れませんね。
なので
USAGI
USAGI
これまで培ってきたスキルや経験を役立てたい!!
という思いが20代の参加者と比べると強い傾向があります。
一方20代前半で社会人経験の少ない参加者は自分のスキルや経験に自信がなく、
KAERU
KAERU
自分に職務が務まるだろうか・・・
と不安を抱える人が多い傾向があります。
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特徴② 成果を出したいという思いが強い

これは隊員なら当たり前なのかもしれませんが、

活動を通して何かしら大きな成果を上げたいという思いが強い。

そんな人が多い気がします。

年齢的にも責任感が強く、

絶対に配属先を良くしてやろうという強い気持ちと自信を持つ傾向があるのではないでしょうか。

特徴③ 柔軟性が足りない

これはあくまで私自身が私自身に感じたことです。
自分はまだまだ若いつもりで、柔軟性を持っていると思っていても、
訓練などで若い人たちと接することで、頭が固いな、と実感した経験があります。
柔軟性が足りない、という点を少し具体的に言うと
  • 組織の在り方とはこういうものだ
  • 会議のやり方はこうだ
  • ○○の管理の仕方はこうだ

みたいな感じで、今までの社会人経験で培ってきたことが

常識として定着してしまっている傾向があります。

 

30代の隊員が陥りやすい罠とは?

まとめると、30代、特に30代後半の隊員の特徴としては
経験があり、自分のスキルや知識に疑問を持っている
協力隊に活動に賭ける思いが強い
経験が多い分、固定観念が強い傾向がある
という事に当てはまる人が多い、という事ですね。

しかし、赴任した隊員が一番最初に躓くであろうことがあります。

 

多くの配属先が抱える問題

多くの配属先は、技術の不足、知識の不足、経済的な問題という以前に
働く姿勢やずさんな組織体系に大きな問題を抱えています。
もちろん、機材がない、道具がない、お金がない、それも事実です。
しかし、
  • 仕事に来ない
  • 熱意がない
  • 不正や着服
といった問題も多々あるのですね。
情熱のあるカウンターパートに恵まれれば良いのですが、
これらの態度から改善しなければ技術移転どころの話ではない
というケースが非常に多いと思います。

となると、自慢の技術も知識も、あまり役に立ちませんよね。

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あまりにもレベルが低すぎる

あまりにもレベルが低すぎる、という場合もあります。

多くの協力隊の要請は○○経験5年以上とか、大卒以上、といった資格、経験が必要とされています。

が・・・フタを開けてみるとそういう次元の話ではない、という事も多々あります。

 

 

  • ちょっとネットを使って調べればすぐわかるような事も知らない。
  • 現地人でも十分指導できるレベルの事を教えなくてはならない
  • 練習すればすぐ出来る事を練習しない。
  • 学ぶ意欲もない
  • ・・・というか、そもそもやることがない

 

初等教育の年代の子供たちならともかく、

より高度で専門性の高い知識を求められるはずの高等教育機関などで

こういう状況だったらあなたはどう感じるでしょうか。

するとどうなる?

 

わざわざ高い税金を使って、

仕事を辞めるという大きな決断をして

はるばる日本から来てやる事だろうか?

こんなママゴトに何の意味があるのだろうか?

本当に自分がいる意味はあるのだろうか?

そう感じても、全く不思議はないのではないでしょうか。

 

活動を終えたから言える事ですが、私はこれを含めて協力隊だと思っています。

そういう状況を乗り越えて、

もし乗り越えられなくてもベストを尽くしていれば、

得られるものは絶対にあると思います。

 

が、中には

  • 次第に情熱を失ってしまったり、
  • 早々に見切りをつけてしまったり、
  • 腐ってしまったり、
  • その国やその国の人々を嫌いになってしまったり。

 

実際にそのような隊員をたくさん見てきました。

そして、そういう隊員は、立派な技術も知識も経験もある、30代の人が多かったんですね・・・・

 

一方、若くて経験を持たない20代前半の隊員は

そもそも初めから技術や経験の無さにコンプレックスを持っている人が多いので、

上手く周りに助けてもらいながら充実した活動を送っているイメージがあります。

まとめ

いかがでしたか?

協力隊の活動は、技術移転以前の問題解決が必要なケースが多い

という事は知っておいても損はないと思います。

 

今回の話はもちろん30代に限った事ではありませんし、全ての配属先がそうだとは言いません。

しかし、現実としてこのようなことで悩む隊員は非常にたくさんいます。

 

しかしながら、こういう事は説明会の体験談などではあまり語られません。

少なくとも、「活動の結果、少しは状況が良くなった」というケースが多いのではないでしょうか。

誰もが「自分の活動はなにかしら成果を残した」と思いたいし、言いたいですからね。

 

何も知らずに派遣されて壁にぶつかるというのも醍醐味ではありますが、

 

何かのきっかけでやる気を失い、任国を嫌い、

せっかくの貴重な2年間を酒と旅行で浪費してしまうのは非常にもったいないですよね。

 

これから派遣を控えている人は、何とか乗り越えて少しでもいい2年間を送って欲しいと思います。