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JICA青年海外協力隊の派遣国ってどの位危険なの?

青年海外協力隊に参加したいけど、親に心配かけたくないな・・・・
今回は、「青年海外協力隊で派遣される国と危険」というテーマについてお話します。
多くの日本人にとっては道の世界である発展途上国。
派遣されるにあたって、その国の治安や危険は誰もが気になるところです。
娘や息子がとんでもない国に行くのを心配する親御さんも多いでしょうし、
応募はしたいけど、親に心配を掛けたくないと思う人も多いと思います。
先に結論からお話します。
間違いなく日本よりも事件や事故に遭う可能性は高いですが、協力隊は組織に堅く守られた存在ですので、
旅行や仕事で滞在するよりは間違いなく安全です。
それでは順番にお話していきましょう。

青年海外協力隊の派遣国にはどんな危険が潜んでいる?

危険度マップ

まずはコチラをご覧ください。

(画像引用 外務省 海外安全ホームページ

こちらは外務省の海外安全ホームページ・危険度マップです。

画像では少し分かりづらいですが、色によって4段階の危険度レベルが設定されており、

  • レベル1:十分注意してください
  • レベル2:不要不急の渡航はやめて下さい
  • レベル3:渡航はやめて下さい(渡航中止勧告)
  • レベル4:退避してください。渡航はやめて下さい(退避勧告)

となっています。

赤い所はレベル4ですね。シリアやイラク、ソマリアなどはもちろんレベル4です。

私の親はこのマップをみて、

「(私の派遣国が)黄色いじゃない!」

と、とても心配していましたが・・・・

 

 

隊員が派遣されるのは基本的にレべル1以下の地域で、

同じ国の中であってもレベル2以上のエリア(というより、危険とされているエリア)には近づくことは禁止されています。

黙って近づくことは出来ますが・・・・

実際にはどんな危険がある?

 

発展途上国での危険と言えば

  • スリなどの盗難
  • 強盗
  • 風土病
  • 事故
  • デモ
  • テロ

が挙げられます。

 

このあたりについては訓練中にも学習しますが、正しい知識を持って本人が十分な対策を講じる必要があります。

スリや盗難、強盗など

物盗りの被害に遭う隊員はどこの国にも一定数います。

場合によっては被害に遭わない隊員がいない、なんて国もあるようですね。

私も空き巣被害で部屋のものを根こそぎ盗られた経験があります。

が、この手の盗難被害は本人の油断が原因というケースがほとんど。

途上国での生活に慣れて、ちょっと気を緩めたスキに被害に遭う人は非常に多いですね。

つまり、自分の防犯意識で防ぐことが出来る事例が大半です。

 

 

住宅を選ぶ際はJICAの安全対策アドバイザーが入念にチェックしてくれますし、防犯グッズも支給されます。

  • 高価なものは持ち歩かない
  • 窓の近くにモノを置かない
  • しっかりと施錠をする

などで十分対策する事が出来ます。

 

過去の犯罪被害事例を出来るだけ多く閲覧しておくことも大切ですね。

 

病気について

発展途上国ではマラリアや狂犬病をはじめとした様々な風土病があります。

これらの病気対策としてはまず正しい知識を身に付ける事が大切です。

KAERU
KAERU
犬や猫などの動物に近づかない、とかね

予防接種や予防薬の服用などはしっかりと行いますので、普通に気を付けていればそこまで危険はありません。

 

 

通院にかかる費用は全てJICAで負担してくれますし、

万が一マラリアなど重大な病気にかかった場合はチャーター機でもなんでも用意してくれます。

 

病気に関しても、見ている限りだと「ちょっとくらい大丈夫だろう」と薬の服用を怠ったり、

湖で水遊びしたり、夜中に上裸で出歩いたり、と明らかな本人の落ち度で感染している人が多いように見えますね。

 

事故

一番怖いのは、やはり交通事故に巻き込まれる事でしょう。

途上国では運転手のレベルもモラルも低いだけではなく、

インフラの未整備、整備不良車も多いので日本と比較すると交通事故の発生率が高いのは間違いありません。

 

 

本人に落ち度がなくても巻き込まれる可能性はありますね。

バイクタクシーが普及している国でも、隊員は利用を禁止されているはずです。

(が、実際は乗っています)

 

荒い運転をするタクシーやバスも多いので、

危ないと思ったら降車するか運転手に安全運転を頼むなどの手段を取る事も必要でしょう。

デモやテロについて

デモやテロに関しては、JICAや大使館でもかなり敏感になって情報収取を行っています。

選挙時などは実際は町の様子は全然大したことがなくても、自宅待機指令が出ることも珍しくありません。

ある地域で事件などが起これば、割と簡単に首都退避の措置が取られます。

日本でニュースになるような大きなテロなら、国外退避命令が出るでしょう。

ただ、テロの場合は途上国・先進国あまり関係ないですよね。どちらも危険であることには変わりありません。

 

 

 

自宅待機を強いられる側にとってはちょっと過保護が過ぎるんじゃないかと思ってしまうものですが、

逆に言うとそのくらい安全には気を使っているという事ですね。

また、自宅待機指令を無視して外出する隊員も一定数います。

どのくらいの頻度で事件事故が発生している?

派遣国全体でどのくらいの頻度で事件や事故が発生しているか気になる人も多いと思いますが、

実はこれらの情報はあまりシェアされません。

国内で日本人が被害に遭った盗難事故などは大使館から詳細が配信されますが、

(私の空き巣被害の状況もメール配信されました)

 

各国の青年海外協力隊の関係者が死亡した、事故で重症になった、などの情報はなぜか入ってこないんですねぇ・・・

 

 

もちろん5年、10年単位の過去の事例を資料として閲覧する事は出来ますが、リアルタイムの情報は、他国の同期隊員などから噂レベルで耳にすることがほとんどです。

 

どこの国のだれだれが事故に巻きこまれたらしい、任期短縮したらしい・・・そんな程度です。

 

私が派遣前訓練に参加していた頃、

関係者が一人病気で死亡したという公式発表はありましたが、派遣中にそのような発表を聞いたことは一度もありません。

 

この辺はちょっとおかしいかな・・・と思いますよね。

情報を隠していると取れないこともありません。

 

民間人で途上国に住む身として

私は現在、青年海外協力隊が派遣される発展途上国にて、民間人として滞在し、生活をしています。

その立場になってわかることは、

「青年海外協力隊は圧倒的に守られている」

という事です。

もし私が事故にあったり病気になったら高額な医療費を払わなければいけませんし、

何かトラブルがあっても基本的には自分で解決するしかありません。

 

その点、青年海外協力隊は

  • 医療費もかからないし
  • 安全対策のサポートも手厚いし、
  • 緊急時にもお金は使い放題だし
  • 安全な家に住むことが出来るし

つまり、普通に民間人としてその国に滞在するのとは状況が全く違うという訳です。

 

油断は禁物ですが、充分に注意して対策をしていれば、危険な目に遭うことはそれほどないと思います。

日本にいても危険な目に遭う可能性がありますが、

しっかりと対策を取ってさえいればさほど大きな違いはないでしょう。

 

 

ただ・・・この「しっかりと対策をする」という点が落とし穴で、

やっぱり防犯対策って超面倒くさいんですよね・・・

平和な毎日に慣れると人間は関らず油断します。

いつまでも油断せず、緊張感を持ち続けるという事自体が一番難しい事なのかもしれません。

そして、安心し切って気を緩めたところで被害に遭う。

私を含めて、こういう人は今までいくらでも見てきました。

最後に

青年海外協力隊として派遣された人の多くは、派遣されて1年もたてば

「○○は治安がいいよ」

「○○は安全だよ」

って言いますよね。

確かに、治安はいいのかもしれません。

 

自分の派遣されている国の印象を良くしたい、興味を持ってほしいという気持ちの表れなのでしょうが、

 

こういう発言こそが事件や事故を招く一番の原因だと思います。

 

 

発展途上国の治安が日本よりも悪いのは間違いありません。

日本よりも危険であることは間違いありません。

いかし、青年海外協力隊は圧倒的に守られているので、必要以上に心配することもないとは思います。

 

 

ただ、

危険な地域にいるという事を常に自覚することが、
危険を遠ざけるための一番の方法である

とも言えると思います。

是非、肝に銘じておいてください!!