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どうしてアフリカはいつまでたっても貧困なの?

アフリカの貧しい人たちを助けたい・・・でも、アフリカっていつになったら貧しくなくなるの?
今回は、「アフリカがいつまで経っても貧しい訳」というテーマでお話します。
漠然と「貧しい人を助けたい」「困っている人を助けたい」と考える人、いますよね。
自分の力を困っている人に役立てたいと思うのは素晴らしい事だと思いますが、どうしてアフリカをはじめとする貧困地域が貧しいのか、考えたことはあるでしょうか。
先に私の考えを言っておきます。
途上国は人間がキタナイから
もちろん、泥だらけで汚い、という意味ではありません。
心が汚いという意味です。
それでは順番に解説していきましょう。




貧しい人達=アフリカの人たちというイメージ

「貧しい人達」と聞いて多くの人がまず思い浮かべるのは「アフリカ」。
漠然としたイメージではありますが、
給食やご飯を残す子供に「アフリカにはご飯を食べられない貧しい人もいるんだから」と言うのは、その考え方の良し悪しはともかくとして、定番中の定番ですよね。
これは、私が小学生の事から言われていました。もう30年以上前の話です。
私が子供のころから30年以上たった今も、数字上では状況は改善しているようですが、それでも多くのアフリカ諸国はいまだに貧困のままです。
貧困の定義は国や機関によっても異なりますが、
おおよそ1日2ドル以下で生活する人たちを貧困層と呼ぶ場合が多いようですね。
そして、世界の10%の人々はそのような「貧困層」以下であると言われています。
地域別にみると、アフリカ・サブサハラ地域と南アジアが世界全体の貧困層の実に85%を占めており、
さらにアフリカ・サブサハラ地域では41%の人たちが貧困層以下であるという調査結果が出ています。

昔から日本もODAでアフリカ諸国に多額の援助をし続けていますし、日本以外の国だってずーーーーっと援助をし続けていますよね。

UNDPのホームページによると・・・
  • 1970年には48%だった途上国の成人識字率が1998年には72%
  • 所得面での貧困層は29%から24%に減った
  • 40歳未満の死亡率は20%から14%まで減った
  • 飲料水を利用できる人口はこの30年で倍増した
・・・・などなど、数字上では貧困が減っていると書かれています。
「極度の貧困は2015年までに根絶できます」
とも書かれています。今はもう2019年なのですが。
こう見ると、「少しずつでも改善している」という印象を受けるかもしれませんが、
どちらかというと、「まだこんなに貧困な人がいるの?」という印象です。
それに・・・
これはあくまで1日2ドル以下、という定義に当てはめた場合の話。
我々から見たら、1日3ドル以下でも5ドル以下でも大して変わらないと思うのですが・・・・
実際に私が派遣された国では、公務員の平均月収は約400ドル。
月400ドルは貧しくないでしょうか?私は十分「貧しい」と思います。
とにかくですね。
ここで私が言いたいのは「アフリカの多くの国はいつまでたっても貧しいまま」という事です。

どうしてアフリカは貧しい?

そもそも、どうしてアフリカの国は貧しいのでしょうか。
  • 教育水準が低い
  • 産業が発展しない
  • 内陸国は貿易が難しい
  • 紛争が多い
色々な理由が思い当たりますが、
4年近くアフリカに住んでいた私の考えでは
一部の既得権益者が不正に弱者を搾取して富を独占しているから
そして
アフリカの人たちは「助けてもらって当たり前」と思っているから
これがアフリカがいつまで経っても貧しいままでいる、主な原因だと思います。

既得権益者が富を独占する仕組み

具体的な例はたくさんあるのですが・・・・

大規模プランテーションで作られたコーヒー豆がフェアトレード認証を受け、そのコーヒー豆が先進国で割高な価格で売られていても、窓口にいる人が利益を全て持って行ってしまうので実際に現場で働く人達の労働環境は何一つ変わらない。

 

支援団体から、貧困層の人たちのために無料で提供された薬を窓口の人が金持ちに高く売ってしまい、貧困層の人たちには「お金が必要だ」とウソをつく

政治家は自分の国の悲惨な状況を先進国に訴えて支援金を集めるが、そのお金のいくらかは彼らのポケットに入り、自分たちは贅沢な生活を送っている。

青年海外協力隊の立場で考えると、
必要だと思って現地業務費を申請して購入した機材を、隊員がいなくなった途端に売り払ってしまう、などですかね。

このように、
仲介役にいる人間が支援してもらったお金や物資を自分の懐に入れてしまう事は決して珍しくありません。
このような不正がまかり通るのは、不正をチェックする目が機能、例えば警察や司法、マスコミなどが機能していないから、です。
機能していない、というのは「簡単に金で動いて、金で目をつむる」という事ですね。
実際に私も体験しましたが、入国管理局をはじめとする公的機関はなんだかんだ理由を付けて「袖の下」を要求してきます。
アフリカの文化が何だと聞かれたら、私は「Corruption」だと答えます。
残念ながらその位ひどい目に遭わされているんですね・・・
外部からの支援が、本当に支援が必要な人に行き渡らない。これはかなり「あるある」だと思います。

助けてもらって当たり前

これはどういう事かというと、

自分たちはヨーロッパ諸国に侵略され、ひどい目に合ってきた被害者だから助けてもらって当たり前、という事ですね。

 

実はこれはかなりタチが悪くて・・・・

 

彼らの多くは

「全ての事は他人のせい。自分は何一つ悪くない」

と思っています。

国民も、
  • お金さえあれば全て上手く行く
  • 政治さえ良ければこんな事にはなっていない
  • 豊かな人が貧しい人を救うのは当たり前
と思っていますので、基本的には自分たちでどうにかしようと考えたり行動したりしません。
だから何も変わりません。
自分がこの国を変えてやろう、という根性を持つ人はほんの僅かですし、
優秀な人は基本的に国外に出て行ってしまいます。
国の政治家は、国が貧しく弱者で居続けた方が先進国からも支援が受けられるし、
国民も余計な知恵を持つ可能性が低いですよね。
国は貧しくても自分たちは裕福な生活を送れる訳ですし
国民の力が弱ければ、自分の立場はいつまでも盤石ですので
いつまでも貧しいままでいた方が都合がいい訳です。

なぜ先進国は支援を続ける?

先進国が開発途上国に支援をするメリットは、国連会議の「票」でしょう。
国連総会は加盟国のそれぞれが1票の投票権を持っていますので、言葉を選ばずに言えば恩を売っておいた方が得票できる可能性が高まるという事です。
青年海外協力隊は政府が派遣実績を作るため。
成果などあってもなくてもどっちでもいい。
というのも、大事なのは支援に使った金額と実績だからです。

アフリカの貧困を解決するには

そういう自分勝手な人たちが権利を握っている国では、貧困をなくすのはそれほど簡単な事ではないと思います。
確かに、世界には貧困を根絶するために十分な富はあり、
その気になれば貧困を無くすことは可能でしょう。
ただし、それはあくまで全員が「その気になれば」の話で、これが一番難しいという事ですね。
一番簡単な方法は、先進国が政治介入することだと思います。

もっと言えば、植民地化してしまえば貧困は無くなると思います。
少なくとも、現状一番命の危険にさらされている貧困層の人たちの命は助かる可能性が高くなるでしょう。
インフラも整備されるでしょうし
教育レベルも上がるでしょう。
国民の寿命も、乳児死亡率も大きく改善するでしょう。
私は割と真剣にそう思っています。
先進国の人間の勝手な考えではありますが、
アフリカの彼らを見ていると、本当にそう思えてくるのです。
「キタナイ人間」というのはやや過激な表現かもしれません。途上国の全ての人間がキタナイ人間だとも思っていませんが、
自分の利益の為だけに平気で弱者を裏切り、利用することが出来る人間はどう考えてもキタナイ人間でしょう。
貧困のある国では、
そういうキタナイ人間のキタナイ行為が国のトップから草の根レベルに至るまで蔓延しているのは間違いありません。
先進国にもキタナイ人間はたくさんいます。しかし、先進国ではそれを抑止するシステムが発達しているから、汚い事をしようと思ってもなかなか出来ない、という部分もありますね。
アフリカの人たちがキタナイというよりは、人間はもともとキタナイ一面を持っていると思っています。
不正を抑止するシステムや力、というのも貧困を無くすためのカギだと思いますね。
これもあくまで私の考えですが、少なくとも初等教育を変えていかなければ、
  • 不正なんて当たり前
  • 支援を受けて当たり前
という汚い精神を持つ人間は生まれ続けます。だって、何も知らない子供を教える学校が不正に染まっている場合も多いですからね。

国際協力の意味とは?

今回私がお話したように

アフリカをはじめとする開発途上国の貧困問題の原因として

  • 既得権益者が不正に搾取している事
  • 助けてもらって当たり前という被支援グセ

はすべてではないにしても必ずあると思うのですが、こういうことは支援団体も国際機関も絶対に口にしません。

 

・・・公に言える事ではありませんからね。

国際協力・国際支援というものは、常に美しく見えてしまうものですが、実際はもっとドロドロしていると思います。

国際協力の仕事に携わりながらも何も実感できない、という人は多いはずです。形だけの支援というのも実際にあるでしょう。

それでも、国際協力活動によって命が助かる人がいるのは事実ですし、人生が変わる人がいるのも事実ですよね。

 

 

 

今回はあくまでも私の意見としてお話をしましたが

国際協力の道に進みたいと考えている方は、こういう裏の部分についても、是非考えてみて欲しいと思います。